ECサイト制作依頼に契約書が必要な理由とは?その内容や参考例を紹介
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公開日 2022年12月30日  更新日 2023年07月07日

ECサイト制作依頼に契約書が必要な理由とは?その内容や参考例を紹介

ECサイト制作依頼に契約書が必要な理由とは?その内容や参考例を紹介
ECサイト制作の依頼先が決まり、ついに制作プロジェクトがスタートした頃にEC制作会社から業務委託契約書の確認の連絡が。

はじめてのECサイト制作という方も多く、契約書のチェックすべきポイントがどこで、何に注意したらいいのかが分からないという方も多いでしょう。

そこで今回、はECサイト制作依頼の契約書について必要な理由や内容などを解説いたします。

ECサイト制作に契約書が必要な理由

ECサイト制作に契約書が必要な理由は、トラブル回避のためです。制作業務というのはクライアント側の要望によっては永遠に作業できるため、クライアントから頂いている費用以上の要求を受けないために、作業に関しての定義をするために、契約書を結びます。

また、制作会社のみならず、クライアント側にも次のようなリスクが存在します。

想定外の追加費用が発生するリスク

契約書で「作業範囲」を定義していないと、想定していないところで追加費用が発生する可能性があります。例えば、以下のようなケースが考えられます。

・デザイン制作~コーディング作業までの契約だったので、サイト公開作業は別途費用が必要
・サイトのテキストや写真素材などの準備は別途費用が必要
・デザインデータ納品に別途費用が必要
・コーディングデータ納品に別途費用が必要

もちろん上記作業を事前に依頼がある場合、制作会社によっては作業費用を見積りに含めることもあります。契約書に記載があるから費用を抑えられるわけではないということは認識しておきましょう。

知らない間に納品が完了してしまうリスク

ECサイト制作会社から確認依頼の連絡があったが、忙しくて数日間返信が出来ず、
仕事が落ち着いたので修正の連絡をしたら、「確認期間が過ぎているため修正できない」と断られるということがあります。

これは納品の定義を事前に決めていなかったことが原因です。制作物納品後、無期限に修正対応することは難しく、一定の期間を設けて修正対応期間を設けるのが一般的です。

発注者側としては「プロなんだから依頼者が納得する状態で納品するのが筋」と考えてしまいますが、制作会社側としては「それだと無限に修正対応し続けなければならない」というリスクがあります。

制作業務というのは納品物の明確な正解がないため、結局のところ担当者や管理者が「明確な正解はないが、納得いく物」を目指して、制作していくことが前提です。修正回数や修正対応期間の縛りがあるからこそ、お互い納得して業務ができるという側面もあります。

発注者側は契約書の内容をしっかり目を通して、修正回数や修正対応期間に問題が無いかを事前にチェックしておく必要があります。

ECサイト公開後の不具合修正の対応不可リスク

「ECサイト公開後に不具合を発見した」ということはよくあることです。制作会社の瑕疵であるため、不具合を解消するために修正依頼したら、「対応できない」と言われてしまったなんてことがあります。

一見理不尽のようにも思えますが、契約書に瑕疵を含めて修正期間が限定されている場合は正当化されることもあります。

この「修正」の定義を、「発注者側の後から出てきた要望に対する修正」なのか、「制作会社のミスによる修正なのか」を確認しておく必要があります。

ECサイト制作の契約書の内容は?

次に、ECサイト制作ならではの、契約書の内容を一部ピックアップして紹介いたします。

作業範囲の定義

ECサイト制作業務の作業範囲の定義をします。デザイン制作までなのか、デザイン制作~コーディング作業までなのか、サイト公開までなのかなど様々です。
また、ECサイト制作時にSEO対策を求められることが多いですが、SEO対策も含まれているのか?なども確認する必要があります。

納品の定義

何を納品とするのか定義する内容です。「サイト公開が納品」「デザインデータ送付が納品」などです。

修正回数の定義

修正回数の定義を行います。「全体を通して修正が〇回」「デザイン修正〇回、コーディング修正〇回」など修正がトータルでの修正回数なのか、各フェーズの修正回数なのかを確認しておきましょう。

所有権・著作権の帰属

ECサイト制作において所有権や著作権の帰属は非常に重要事項です。場合によってはサイトの保守を別の制作会社に依頼しようにも、所有権・著作権の問題で乗り換えができないなんてこともあります。

所有権:ホームページを保有・処分・売買などする権利
著作権:ホームページを変更・利用する権利

ECサイトの所有権を持っていれば、サイトを公開したり、営業に使ったり、誰かに売却したりできます。しかし、著作権を制作会社に帰属していると、文言やデザイン変更をすると著作権侵害にあたります。

所有権・著作権は発注者側に帰属するようになっているのかをチェックしましょう。

検収後の修正対応期間の定義

検収後の修正対応期間を確認しておきましょう。「検収後、2週間以内なら修正対応可能。ただし、その期間が過ぎる場合は別途費用が必要」といった主旨の内容が書かれていると思います。

この部分を確認しておくと、期間内に修正完了できるように進めることができます。

瑕疵担保責任の期間

瑕疵担保責任とは、納品後に未発見のバグ(不具合)が見つかった場合に、制作会社側が「補修や弁償をします」というものです。システム的な要素が含まれるホームページについては、できるだけ長めに期間を定めておいた方が安心です。ただし、長すぎる期間は制作会社に嫌がられるため、妥協点を見つけるようにしましょう。

また、必ずしも「バグが発生=瑕疵」というわけにはなりません。ウイルス感染や第三者からの攻撃によってサイトがバグを発生することがあります。その場合は、瑕疵ではないため、修正対応は難しいです。

瑕疵についてはテキストが誤字・誤植していた、デザイン崩れを起こしている、デザイン通りではないなど、このようなミスのことをいいます。瑕疵については判断が難しいため、もしトラブルになった際は弁護士への相談をおすすめします。

再委託

再委託とは、ECサイト制作会社から、さらに別の制作会社やフリーランスに作業を委託することです。この再委託を自由に認めてしまうと、下記のようなトラブルが起こりえます。

・デザインをA社に依頼していたのに、知らない間にB社がデザインを担当していた
・機密情報が外部に漏れてしまった

小規模の制作会社の場合、外部へ再委託することは一般的です。「再委託=悪」というわけではないため、再委託を禁止するのではなく、再委託する際の禁止事項や責任について明記しておくことが大切です。

ECサイト制作の契約書参考

以下、弊社の契約書例です。下記を参考に事前に契約書を確認しておきましょう。

契約書テンプレート例はこちら
※使用する際は内容を一部変更の上、ご使用ください。

ECサイト制作に契約書を必ず結ぼう

ECサイト制作は作業範囲や修正対応期間、権利関係でトラブルになりやすく、トラブル回避のために契約書を結んでおく必要があります。お互い気持ちよくお仕事をするために、契約書の内容を隅々までチェックし、契約を結ぶようにしましょう。