HubSpotとSalesforceを中小企業が比較するときの判断基準
従業員数5〜100名規模の中小企業には、専任管理者不要で使い始めやすいHubSpotが向くケースが多いです。CRM初導入で失敗しやすいのはツール選びより前の業務設計が固まっていないことで、「誰が何を入力し誰が見るか」を先に決めることが定着の鍵になります。
従業員数5〜100名規模の中小企業には、HubSpotの方が導入しやすいケースが多いです。ただし、複雑な商談管理や基幹システムとの深い連携が必要な場合は、Salesforceが選ばれる理由になります。
目次
HubSpotとSalesforceはどう違いますか?中小企業にはどちらが向いていますか?
設計思想と管理者要件の違いから、専任者を置けない中小企業にはHubSpotが向くケースが多い。
HubSpot(ハブスポット)とは、見込み客の獲得・育成・商談管理・顧客サポートを1つのプラットフォームで完結させる、クラウド型CRM/MA(マーケティングオートメーション)ツールである。
Salesforce(セールスフォース)とは、商談管理・売上予測・カスタムワークフローなど営業プロセスの高度な管理に強みを持つ、クラウド型CRMプラットフォームである。
両者の根本的な違いは「誰が使いこなすか」という前提にあります。HubSpotはマーケティング担当者・インサイドセールス担当者が自走しやすい設計で、ブログ・フォーム・メール配信・CRMを同一画面で管理できます。一方Salesforceは、専任の管理者(Salesforce認定アドミニストレーターなど)を置いてカスタマイズする前提で設計されています。
専任のCRM管理者を置けない5〜100名規模の中小企業には、HubSpotの方が運用負荷が低く、費用対効果を得やすい傾向があります。次のような条件がある場合は、Salesforceが選択肢に入ります。
- すでにSalesforceを使っている取引先やグループ会社とのデータ連携が必要な場合
- 複雑な承認フローや商談フェーズ管理が不可欠な業種(製造業の案件管理等)の場合
- 将来的に従業員数が急増し、大規模な営業組織を管理する想定がある場合
| 比較項目 | HubSpot | Salesforce |
|---|---|---|
| 設計思想 | マーケ〜営業の一気通貫 | 営業プロセスの高度管理 |
| 導入難易度 | 比較的低い | 高い(専任管理者推奨) |
| 初期費用の目安 | 無料プランあり、有料は月数千円〜 | 初期構築費が大きくなりやすい |
| カスタマイズ性 | 中程度 | 非常に高い |
| MA機能 | 標準搭載 | 別製品(Marketing Cloud Account Engagementなど)との組み合わせ(旧称:Pardot) |
| 向いている規模感 | 5〜数百名 | 数十名〜大企業 |
導入コストと運用コストはどちらがどのくらい変わりますか?
HubSpotは無料プランから始められ、Salesforceは初期構築費が高くなりやすい傾向があります。
HubSpotの料金体系は、無料CRMに加え「Starter(月数千円〜)」「Professional(月数万円〜)」「Enterprise(月数十万円〜)」のプランがあります(2025年時点の公開情報をもとにした目安。為替・改定により変動します)。
Salesforceは「Starter(旧Essentials)」「Pro Suite」「Enterprise」などのプランがあります(プラン構成は変更される場合があります。最新情報はSalesforce公式サイトで確認してください)。日本国内での中小企業向け導入では、初期設定・カスタマイズ費用として別途数十万円以上かかるケースが多いと、弊社の支援経験では見受けられます。運用フェーズでも管理者のスキル維持や設定変更のたびに外部委託費が発生しやすい点に注意が必要です。
| コスト項目 | HubSpot | Salesforce |
|---|---|---|
| 無料プラン | あり(CRM基本機能) | なし(トライアルのみ) |
| 月額費用の目安 | 数千円〜(Starter) | 数千円〜(ただし要カスタマイズ) |
| 初期構築費 | 比較的低い | 高くなりやすい |
| 運用・管理コスト | 自走しやすい | 専任者または外部委託が必要になりやすい |
| IT導入補助金の対象 | 条件次第で対象になることがある | 条件次第で対象になることがある |
IT導入補助金(経済産業省所管)の対象ITツールとして登録されている製品は補助を受けられる場合があります。補助金の活用は申請要件・採択状況によるため、導入前に専門家へ確認することを推奨します。
CRM(顧客管理)を初めて導入する中小企業が失敗しやすいポイントはどこですか?
業務設計が先行していないと定着しない。ツール選びより前に、誰が何を入力し誰が見るかを決めることが出発点です。
CRM(顧客管理システム)とは、顧客の連絡先・商談履歴・対応状況などを一元管理し、営業・マーケティング活動の効率化を支援するソフトウェアである。
弊社PULL-NETがHubSpot導入支援を行ってきた経験から、失敗パターンは大きく4つに分類されます。
1. 入力ルールが決まらないまま稼働させる
誰がいつどの情報を入力するかを決めずに使い始めると、データがバラバラになります。CRMは「入れたデータしか活かせない」ツールです。
2. 既存の名刺・スプレッドシートの移行を後回しにする
CRM導入後も旧来のExcel管理が並走すると、情報が分散します。移行計画は導入前に立てることが重要です。
3. 現場の担当者が「なぜ入力するのか」を理解していない
CRMはマネージャーが欲しいデータの収集ツールと思われがちですが、本来は担当者自身が商談状況を追跡し、次の行動を決めるためのものです。目的の共有なしに導入すると定着しません。
4. 最初から全機能を使おうとする
HubSpotもSalesforceも機能が多く、最初から全部設定しようとすると導入が長期化します。「コンタクト管理→商談管理→メール配信」のように段階的に機能を広げるアプローチを、弊社では推奨しています(弊社支援先での運用実績にもとづく見解です)。
CRM導入において失敗しやすいポイントを押さえるには、ツール選定と並行して「誰が何を入力し、誰がどのデータを見るか」の業務設計を先行させることが重要です。
どちらを選ぶかを判断するためにまず確認すべき社内の条件は何ですか?
ツールを決める前に、「専任管理者の有無」「マーケティング機能の必要性」「既存システムとの連携要件」の3点を社内で確認することが判断の出発点になります。
以下のチェックリストを参考に、自社の状況を整理してください。
HubSpotが向いている可能性が高い条件
- CRM専任の管理者を置けない(兼任での運用が前提)
- ブログ・LP・フォームなどWebマーケティングとCRMを一体で管理したい
- 無料または低コストで試してから段階的に拡張したい
- 社内のITリテラシーが平均的な水準
Salesforceが向いている可能性が高い条件
- 既存のSalesforce環境・連携システムがある
- 商談フェーズや承認フローを細かくカスタマイズしたい
- 専任のシステム管理者またはSIerへの委託予算がある
- 将来的に大規模な営業組織を管理する計画がある
どちらのツールも「導入さえすれば成果が出る」ものではなく、業務設計と運用体制がセットで必要です。判断に迷う場合は、まずHubSpotの無料プランで3ヶ月試用し、定着状況を見てから有料プランやSalesforceへの移行を検討するアプローチが、中小企業では現実的です。
PULL-NETが支援してきた経験で、HubSpot選定理由として多かったのは何ですか?
弊社の支援先でHubSpotが選ばれる理由として最も多いのは、専任担当者なしでWebサイトとCRMをつなぎたいというニーズへの適合です。
PULL-NETはHubSpotのCRM・MA・ブログ連携の導入・運用支援を行っています。支援先の多くは従業員数10〜50名規模で、マーケティング専任者がいないか、兼任している状況でした。こうした企業では、ツールの設定・変更を外部に頼らず自分たちで動かせることが優先されます。
弊社の支援経験から見た選定理由の傾向を以下にまとめます。
- Webサイト連携のしやすさ: フォーム・チャット・ブログをHubSpot上に統合し、問い合わせからコンタクト登録・メール配信まで自動化できる点が評価される
- 段階的な拡張: 無料CRMから始め、必要な機能をプラン追加で拡張できる柔軟性
- IT導入補助金との組み合わせ: 補助金を活用した導入提案ができるため、初期費用を抑えながら本格的なCRM環境を整備できた事例がある(採択は申請内容・審査状況による)
- 運用の自走: 弊社が初期設定・研修を担当したあと、クライアント自身が日常運用を担えるようになるまでのハードルが低い
なお、弊社の支援先でSalesforceが選ばれたケースも存在します。既存のSalesforce環境がある取引先と連携する必要がある、または業種特有の商談管理要件があった場合です。ツールの優劣ではなく、自社の業務要件と運用体制に合うかどうかが選定の本質です。
監修: 安井崇(株式会社PULL-NET|Web制作・EC・CRM導入・AI活用支援の実務経験20年)
よくある質問
HubSpotの無料プランは実際に業務で使えますか?
コンタクト管理・商談パイプライン・メール送信などの基本機能は無料プランで利用できます。ただし、メール配信の自動化やレポート機能などはStarter以上が必要です。まず無料プランで運用を試し、必要な機能が見えてから有料プランへ移行する進め方を弊社では推奨しています。
HubSpotからSalesforce、またはその逆への乗り換えは難しいですか?
コンタクトデータや商談履歴はCSVエクスポート・インポートで移行できますが、ワークフローや自動化設定は作り直しになるケースがほとんどです。乗り換えのコストはデータ量より「設定の複雑さ」に比例するため、初期導入時に過度な作り込みをしないことが後々の移行リスクを下げます。
HubSpotとSalesforceを併用することはできますか?
公式のネイティブ連携(HubSpot-Salesforce Integration)が提供されており、コンタクトや商談データを双方向で同期することができます。マーケティングはHubSpot、営業管理はSalesforceという役割分担で使う企業もあります。ただし、二重管理によるデータの不整合が起きやすいため、どちらをマスタとするかのルール設計が先決です。
最終更新日: 2026年9月17日

HP・ECサイト制作及びWeb集客を得意領域とするWeb制作会社。1,000件以上の実績と創業16年間の経験から得たノウハウを基に、多くの企業様をサポートしております。制作及び集客の各工程のプロが社内に在籍している点が強み。
最近の記事
特別コンテンツ一覧
- デジタル化・AI導入補助金 (16)
- IT導入補助金2025 (34)
- 楽天市場 (2)
- ネットショップ・ECサイト制作 (57)
- ランディングページ制作 (10)
- IT導入補助金2023 (10)
- Shopify (8)
- 商品撮影・動画撮影 (14)
- SEO対策 (26)
- リスティング広告 (18)
- ホームページ制作 (1)
- Instagram (2)
- 記事一覧 (16)



