HubSpotとWordPressをCMSとして比較する。中小企業の選び方
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公開日 2026年09月22日 

HubSpotとWordPressをCMSとして比較する。中小企業の選び方

マーケティング・CRM連携を重視するならHubSpot、柔軟なカスタマイズや低コスト優先ならWordPressが選択肢になります。どちらが正解かはサイトの目的と社内リソースによって異なります。

HubSpotとWordPressはどちらをCMSとして選ぶべきですか?

マーケティング・CRM連携を重視するならHubSpot、柔軟なカスタマイズや低コスト優先ならWordPressが選択肢になります。どちらが正解かはサイトの目的と社内リソースによって異なります。

CRMと連携してリードの行動を営業に活かしたいならHubSpot、初期費用を抑えながら独自機能を作り込みたいならWordPressが適しています。

CMS(コンテンツ管理システム)とは、プログラミング知識がなくてもWebページの作成・更新・管理ができるシステムのことです。HubSpotとWordPressはどちらもCMSの機能を持ちますが、設計思想が根本的に異なります。

HubSpotは「誰が・いつ・どのページを読み、問い合わせたか」をCRM上で一元管理するために設計されています。Webサイトのアクセスデータと顧客データが自動で結びつくため、営業・マーケティング担当者がツールをまたいでデータを統合する手間がかかりません。一方WordPressは世界シェアトップクラスのCMSであり、5万件を超えるプラグイン(追加機能)によって用途に応じた拡張ができます(W3Techs「Usage statistics of content management systems」2025年6月時点、プラグイン数はWordPress.org『Plugin Directory』2025年6月時点)。

判断の出発点は「自社サイトをコンテンツ配信の場にとどめるか、営業・マーケティングの起点にするか」という問いです。前者であればWordPress、後者であればHubSpotに軍配が上がります。

比較項目 HubSpot CMS WordPress
初期費用 Starter以上のプラン契約が必要 無料(サーバー・ドメイン費別途)
CRM連携 標準搭載 プラグインや外部連携が必要
セキュリティ管理 HubSpotが自動対応 自社(または代行会社)が管理
カスタマイズ性 テーマ・モジュールの範囲内 ほぼ無制限(プラグイン・コード改修)
技術的な運用負荷 低い 高い(プラグイン更新・脆弱性対応)

HubSpotを中小企業が導入するとどんなメリットがありますか?

HubSpotをCMSとして使う最大のメリットは、訪問者の行動履歴がCRMに自動で記録され、営業・マーケティングを一元管理できる点です。

PULL-NETがHubSpot導入・運用支援を行ったクライアントでは、WordPressで運営していたブログをHubSpotへ移行したことで、「記事を読んだ人がフォームを送信した」という行動履歴がCRM上に自動で残るようになりました。営業担当者は問い合わせが来た時点で「どの記事を何回読んでいるか」を把握でき、初回の会話の質が変わるという変化が起きています。

中小企業がHubSpotを導入すると、具体的に以下のメリットが得られます。

  • 専任IT担当者が不要: サーバー監視・セキュリティ対応・バックアップはHubSpot社が担うため、社内担当者はコンテンツ作成に集中できます。
  • スマートコンテンツ: 閲覧者のリストや購買ステージに応じてページの表示内容を自動で切り替えられます。
  • SEO推奨機能: トピッククラスター(関連記事を体系的にまとめる構造)の設計支援が標準搭載されています。
  • フォーム・CTAとCRMの直結: フォームの送信データがリアルタイムでCRMに反映されるため、データ転記のミスや漏れが発生しません。
  • MAワークフロー: 特定のページを訪問した、メールを開封したなどの行動をトリガーにした自動フォローができます。

WordPressにも類似プラグインは存在しますが、複数ベンダーのツールを組み合わせるためデータの同期設定や保守が必要になります。HubSpotはこれらが最初から一体化している点が中小企業にとって実質的なコスト削減につながります。

WordPressのほうが向いている中小企業はどんな場合ですか?

コストを抑えながら独自機能やECを作り込みたい場合は、WordPressが適しています。

具体的には以下のような状況でWordPressを選ぶケースが多いです。

  • 初期投資を最小限にしたい: サーバーとドメインの費用のみで始められます。HubSpotのCMSはStarter以上のプランが必要で、規模に応じて月額費用が変わります。
  • ECサイトと一体化したサイトを作りたい: WooCommerceをはじめとするEC向けプラグインが充実しており、コンテンツとショッピング機能を一つのWordPressサイトで管理できます。
  • デザインの自由度を重視する: コードレベルのカスタマイズが可能で、テーマやテンプレートの制限を受けません。
  • 社内にWordPressを扱えるメンバーがいる: 運用担当者が既にWordPressに慣れている場合は、移行コストや学習コストが発生しません。

PULL-NETでは、WordPressのプラグイン開発によって営業リストの自動生成や補助金情報の収集を実現した実績があります。WordPressはAPIやプラグインの組み合わせにより、業務自動化ツールとしても機能させられる柔軟性があります。

管理コストと拡張性の観点からはどちらが有利ですか?

管理コストの低さではHubSpot、拡張性の高さではWordPressが有利ですが、拡張性と管理コストはトレードオフです。

WordPressはプラグインを増やすほど、互換性の確認・セキュリティアップデート・バックアップといった管理作業が増えます。プラグインの更新を怠ると脆弱性が残り、不正アクセスやサイト改ざんのリスクが高まります。社内にこれを担当できる人材がいない場合は、外部の保守委託費用が発生します。

HubSpotはSaaS(インターネット経由で利用するサービス)のため、インフラのセキュリティ対応・サーバーの監視・バックアップはHubSpot社が担います。社内の担当者はコンテンツの作成と設定変更に集中できます。ただし、プランの月額費用は発生し続けます。

中小企業にとって現実的な判断軸は「ITに使える人件費・外注費をどこに配分するか」です。WordPressの保守を外部委託する場合の費用と、HubSpotの月額費用を比較したうえで判断することをお勧めします。

マーケティング・CRMと連携したい場合はどちらを選ぶべきですか?

CRMとWebサイトを連携してリードの行動履歴を営業に活かすなら、HubSpotが導入・運用の手間を抑えられます。

WordPressで同等のことを実現しようとすると、CRMツール(HubSpot・Salesforceなど)とWordPressをAPIで接続し、フォームのデータをCRMへ送信する設定を行い、行動トラッキングの設定を別途行う必要があります。設定自体は可能ですが、複数ツールをまたぐ分、障害発生時の原因特定や設定変更の工数が増えます。

PULL-NETがHubSpotの導入支援を行った事例では、CRM・MA・ブログの連携を一つのプラットフォームで完結させることで、ツール間のデータ同期トラブルが解消され、マーケティング担当者が施策の改善に集中できる状態になっています。

なお、既にWordPressで運用中のサイトがある場合は、WordPressはそのまま活用しつつ、HubSpotのトラッキングコードを埋め込んでCRMとの連携だけを先行させるという段階的な方法もあります。

既存のWordPressサイトをHubSpotに移行することはできますか?

技術的には移行可能ですが、URLリダイレクト設定や画像・メタデータの確認など相応の工数がかかります。

移行の主な手順は以下のとおりです。

  1. コンテンツのエクスポート: WordPressの管理画面からXML形式でエクスポートします。
  2. HubSpotへのインポート: HubSpotのブログインポート機能を使って記事を取り込みます。
  3. URLリダイレクトの設定: 旧WordPressのURLから新HubSpotのURLへ301リダイレクトを設定します。これを怠るとSEO上の評価が失われます。
  4. デザインの再現: HubSpotのテーマを使ってデザインを作り直します。WordPressのテーマをそのまま移植することはできません。
  5. フォーム・CTAの再設定: WordPressで使っていたフォームプラグインのデータは、HubSpotのフォームに作り直す必要があります。

移行の難易度はWordPressサイトの規模とカスタマイズ内容によって大きく変わります。プラグインへの依存度が高いサイトほど再現に手間がかかります。PULL-NETでは移行の事前調査から対応しています。

どちらを選ぶかを決める前に社内で確認すべきことは何ですか?

「誰が・何のためにCMSを使うか」を明確にしてから比較すると、選択の判断軸がブレません。

導入前に社内で確認しておくべき項目を以下に整理します。

  • 目的: 問い合わせを増やすか、採用を強化するか、ECを伸ばすか。目的によって必要な機能が変わります。
  • 運用体制: 更新作業を行うのは誰か。IT知識の有無によって使いやすさの評価が変わります。
  • CRM・MAの利用状況: 既にHubSpotのCRM/MAを使っているなら、CMSもHubSpotで統一するメリットが大きくなります。
  • 予算: 初期費用だけでなく、月額費用と保守費用を合わせた3年間のトータルコストで比較します。
  • 既存サイトの資産: 現在のWordPressサイトに蓄積されたコンテンツやSEO評価を移行するコストも考慮します。

これらを整理したうえで判断が難しい場合は、PULL-NETへご相談ください。HubSpot・WordPressの両方の導入・運用支援実績をもとに、自社に合った選択肢を一緒に検討します。

監修: 安井崇(株式会社PULL-NET、Web制作・EC・CRM導入・AI活用支援の実務経験20年)

よくある質問

HubSpotは中小企業には費用が高すぎますか?

HubSpotのStarterプランは月数千円台から利用できるため、WordPressの保守を外部委託するコストと合計で比較すると、想定より差が小さいケースがあります。WordPressは初期費用を抑えられますが、プラグイン保守・セキュリティ対応を外注すると月額費用が発生します。3年間のトータルコストで比較することをお勧めします。

すでにHubSpotのCRMを使っています。CMSもHubSpotにする必要がありますか?

必須ではありませんが、CMSもHubSpotにするとWebサイトの行動データとCRMが自動で連携され、設定の手間が大幅に減ります。WordPressのままHubSpotのトラッキングコードを埋め込む方法もあり、まず連携だけ先行させてからCMS移行を検討するという段階的なアプローチも可能です。

WordPressとHubSpotを両方使い続けることはできますか?

可能です。WordPressをメインサイトとして残しつつ、HubSpotのトラッキングコードを埋め込んでフォームやCRMだけ連携させる運用をしているケースがあります。ただし、ツールをまたぐ分だけ設定の手間と障害時の切り分けコストが増えます。将来的にどちらかに統一する方向で計画を立てておくことをお勧めします。

最終更新日: 2026年9月13日