小規模事業者持続化補助金でWebサイト制作に使える範囲と手順 |株式会社PULL-NET
公開日 2026年11月05日 

小規模事業者持続化補助金でWebサイト制作に使える範囲と手順

小規模事業者持続化補助金はWebサイト制作費(ウェブサイト関連費)に使えますが、補助金総額の1/4以内の上限があり、販路開拓との整合性を経営計画書で示すことが採択の条件です。

小規模事業者持続化補助金は、Webサイト制作費用の一部に使える補助金です。ただし「販路開拓を目的とすること」という条件があり、制作費の全額が対象になるわけではありません。

補助対象かどうかは「経営計画書との整合性」で判断されます。制作内容・目的・期待効果を具体的に書き込み、事前に商工会議所または商工会の確認を受けることが、採択への近道です。

小規模事業者持続化補助金は、Webサイト制作のどの費用を補助できますか?

Webサイト制作費は「ウェブサイト関連費」として補助対象ですが、補助金総額の1/4以内(通常枠)という上限があります。

小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者が販路開拓や生産性向上に取り組む費用を国が補助する制度であり、中小企業庁が所管し、商工会議所・商工会が窓口になります。通常枠では補助上限50万円・補助率2/3が基本です(2024年度公募時点。中小企業庁「小規模事業者持続化補助金」公募要領に基づく)。

ウェブサイト関連費として認められる主な費用は、次のとおりです。

  • ドメイン取得・サーバー費用(補助事業期間内分)
  • Webサイトのデザイン・コーディング費用
  • ランディングページ(LP)の制作費
  • ECサイトの構築費用
  • 既存サイトのリニューアル費用
  • サイト公開に直接必要なCMSライセンス費用

一方、次の費用は対象外になりやすいため注意が必要です。

  • 補助事業期間終了後に発生する保守・運用費
  • SEOコンサルティング単体の費用
  • 広告運用費(リスティング広告など)

補助金は「後払い」です。先に自費で支出し、完了報告後に補助金が入金されます。この点も見越して資金計画を立ててください。

補助対象になりやすいケースと、ならないケースの違いは何ですか?

採択されやすいのは「販路開拓の手段としてWebサイトが必要である」という因果関係が経営計画書で明確に示されているケースです。

審査は計画書の内容で行われます。「新商品をオンラインで販売するためにECサイトが必要」「展示会を機に問い合わせ窓口を整備したい」など、制作の目的と事業課題の結びつきが明確であるほど採択可能性は高まります。

項目 採択されやすいケース 採択されにくいケース
目的 新商品・新サービスの販路開拓 既存顧客への情報提供のみ
計画書との整合性 課題・取組・効果が一貫している Webサイト制作が唐突に登場する
費用規模 補助金額の1/4以内に収まっている ウェブサイト関連費が全体の過半を占める
対象事業者 常時使用する従業員が20名以下(商業・サービス業は5名以下) 大企業の子会社・医師・法人税法上の公益法人等
実施体制 商工会議所・商工会の確認を受けている 確認書なしで申請している

Webサイト単体での申請より、チラシ制作・展示会出展など他の販路開拓費用と組み合わせる構成のほうが、「Webサイトが販路開拓の一部である」という説明がしやすくなります。

AI活用ツールの導入費用は補助金の対象になりますか?

AI活用ツールの導入費用は、それが「販路開拓に直結するWebサイト機能の一部」であれば補助対象になる場合があります。ただし、汎用的な業務効率化ツールとしての導入は対象外になる可能性が高いです。

具体的には、次のような位置づけであれば補助対象として認められる余地があります。

  • Webサイトに実装するチャットボット機能(顧客からの問い合わせを受け付ける)
  • ECサイトに組み込む商品レコメンドエンジン
  • 多言語対応ページの翻訳・表示機能

一方、次のような用途は「販路開拓」との結びつきが薄く、審査で外れる可能性があります。

  • 社内業務の効率化を主目的とするAIツール(議事録作成、文書分類など)
  • Webサイトと切り離して運用するSaaSツール
  • 導入後に継続課金が生じるサブスクリプション費用(補助期間内分のみ対象になる場合を除く)

PULL-NETでは、WordPressプラグインの開発によって補助金情報収集などの業務自動化を実現した実績があります。このような「Webサイトに組み込む形のシステム開発費」は計画書の記述次第で補助対象になる可能性があります。申請前に商工会議所・商工会の担当者と相談することをおすすめします。

補助金を使ってツールを導入するとき、見落としがちな注意点は何ですか?

後払い・精算払いの原則と、補助事業期間内に発注・支払・納品を完了させる必要がある点が最も見落とされやすいです。

注意点を整理すると、次のとおりです。

1. 交付決定前の発注・支払いは補助対象外
交付決定通知書が届く前に発注した費用は補助金の対象になりません。「採択されたら発注しよう」ではなく「交付決定後に発注する」という順序が必要です。

2. 見積書・請求書・領収書の保存が必須
完了報告時に証拠書類の提出を求められます。電子領収書を含め、全書類を漏れなく保管してください。

3. 補助対象外費用との按分が必要になる場合がある
AI活用ツールがWeb以外の用途でも使われる場合、使用割合に応じた按分計算が求められることがあります。

4. ウェブサイト関連費の上限制限
前述のとおり、ウェブサイト関連費は補助金額全体の1/4以内という上限があります。50万円補助の場合、Webサイト制作費として補助を受けられるのは最大12.5万円です。

5. 完了後の一定期間は事業継続が必要
補助事業完了後も一定期間(原則5年間)は事業効果の報告義務が生じます。サイトを短期間で閉鎖した場合、補助金の返還を求められることがあります。

PULL-NETでは補助金申請を前提とした制作提案を行う際、交付決定のスケジュールに合わせた発注タイミングの設計を支援しています。

申請から補助金受領までの大まかなスケジュールはどれくらいですか?

申請から入金まで、通常は8〜12か月程度かかります。余裕を持った事業計画と資金繰りが必要です。

一般的な流れは以下のとおりです。

フェーズ 内容 目安期間
事前相談 商工会議所・商工会に相談し、計画書を作成する 1〜2か月
申請 電子申請システム(Jグランツ)で提出 〆切前1〜2週間
審査・採択発表 書類審査による採択・不採択の通知 申請後2〜3か月
交付申請・決定 採択後に交付申請を行い、交付決定通知を受ける 1か月前後
補助事業実施 交付決定後に発注・制作・支払いを実施する 3〜4か月
完了報告 証拠書類を提出し、補助金額の確定を受ける 1〜2か月
補助金入金 確定後に指定口座へ振り込まれる 1〜2か月

公募は年に複数回行われますが、回ごとに〆切・補助上限・要件が変わることがあります。最新情報は商工会議所または中小企業庁の公式ページで確認してください。

資金繰りの観点では、制作費を一旦自己負担する期間が数か月生じます。制作会社との支払い条件を調整するか、つなぎ融資を検討することも選択肢のひとつです。

PULL-NETが支援した補助金活用の典型パターンはどんなものですか?

PULL-NETが補助金を活用した提案を行う際、多いのは「Webサイトリニューアル+問い合わせ導線の整備」を軸にした構成です。

典型的な支援パターンは次のとおりです。

パターンA: Webサイトリニューアル+チラシ制作の組み合わせ
既存サイトの更新が長年止まっており、展示会や新規営業の際に渡す資料として機能していないケース。チラシ制作費とWebサイトリニューアル費を合算して申請し、「展示会出展→Webで詳細を伝える→問い合わせに転換する」という一連の販路開拓プロセスを計画書に落とし込みます。

パターンB: ECサイト構築による新販路開拓
これまで対面販売のみだった商品をオンラインでも販売したいというケース。Shopifyなどを使ったEC構築費を申請し、配送対応・決済手段の整備と合わせて経営計画書を作成します。

パターンC: WordPressプラグイン開発による業務効率化機能のWebサイト組み込み
Webサイト上に顧客の自動対応・情報収集の仕組みを組み込みたいケース。弊社はWordPressプラグイン開発による業務自動化(補助金情報収集など)の実績があり、Webサイト制作費の一部としてこれらの開発費を含める形で計画書を設計します。

いずれのパターンでも、計画書の精度が採択可否に直結します。補助金申請を前提にWebサイト制作を検討している場合は、制作会社の選定と並行して商工会議所・商工会への相談を早めに行うことをおすすめします。PULL-NETでは申請前の相談から制作・完了報告まで一貫して支援しています。

監修: 安井崇(株式会社PULL-NET)

よくある質問

小規模事業者持続化補助金の通常枠の補助上限と補助率はいくらですか?

通常枠の補助上限は50万円、補助率は補助対象経費の2/3です(2024年度公募時点。中小企業庁「小規模事業者持続化補助金」公募要領に基づく)。ただし、Webサイト関連費はこのうちの1/4以内に限られます。なお、枠の種類(賃金引上げ枠・インボイス枠など)によって上限額が異なるため、最新の公募要領を必ず確認してください。

申請に必要な書類は何ですか?

主な提出書類は、経営計画書・補助事業計画書・事業支援計画書(商工会議所または商工会が発行)・確定申告書の写しなどです。法人と個人事業主では一部書類が異なります。電子申請はJグランツを使い、gBizIDプライムのアカウントが必要なため、申請準備の早い段階で取得しておくことをお勧めします。

採択後にWebサイトの内容を変更したい場合はどうすればいいですか?

補助事業計画書に記載した内容から大きく変更する場合は、事前に事務局へ「計画変更申請」を行う必要があります。承認を受けずに内容を変更すると、その費用が補助対象外になることがあります。軽微な変更(デザインの微調整など)の扱いは事務局によって異なるため、判断が難しい場合は事前に確認してください。