【2025年版】IT導入補助金とは?対象や金額を解説
IT導入補助金とは、業務効率化や生産性向上を目的として、国が中小企業や個人事業主のITツール導入費用を支援する制度です。「何が対象?」「いくらもらえる?」といった基本情報から、「申請の流れ」や「よくある誤解」まで、初めての方にもわかりやすく解説します。
この記事を読めば、自社に補助金が使えるかどうかの判断材料が手に入ります。無駄な手間や失敗を防ぐために、まずは制度の全体像をしっかり理解しましょう。
目次
IT導入補助金とは?中小企業・個人事業主のIT導入を支援
IT導入補助金は、経済産業省の中小企業支援施策の一環として、業務効率化や売上拡大を目的に、ソフトウェアやクラウドサービスの導入費用を補助する制度です。
中小企業や個人事業主がITツールを導入する際、最大で450万円までの補助を受けられる可能性があります。DX(デジタル化)を推進する中で、「コスト面での不安」や「どんなITが自社に合うのか不明」といった悩みを持つ事業者にとって、導入の後押しとなる制度です。
制度の概要と創設の背景
IT導入補助金は、2017年度からスタートした国の中小企業支援政策の一つです。日本国内では依然としてIT化の遅れが指摘されており、特に地方や小規模事業者では「紙管理・手作業」が根強く残っています。こうした課題を解決し、中長期的に生産性を向上させることを目的に制度が創設されました。
この補助金は単なるコスト支援ではなく、「企業の成長戦略」を促進する手段として位置づけられています。売上拡大・人手不足対策・テレワーク対応といった経営課題へのアプローチとして、導入事例が年々増加しています。
どんなITツールが対象になるのか
補助対象となるITツールは、事前に「IT導入支援事業者」が登録したものに限られます。具体的には以下のようなカテゴリが補助対象です。
区分 |
補助対象となるITツールの例 |
業務効率化 |
会計・請求書管理・在庫管理システム |
顧客管理 |
CRM、マーケティングオートメーション |
EC支援 |
ネットショップ構築、カートシステム |
セキュリティ対策 |
ウイルス対策ソフト、アクセス管理ツール |
テレワーク環境整備 |
クラウド勤怠、ビデオ会議システム |
パソコンやプリンターなどのハードウェア単体は対象外です。ただし、ソフトウェア導入に付随するハード機器は、申請枠によっては一部認められる場合があります。
補助金の申請対象者と要件
IT導入補助金の対象者は、中小企業・小規模事業者・個人事業主などです。具体的な条件は業種や従業員数によって異なります。
業種区分 |
資本金 |
常時使用従業員数 |
製造業・建設業 |
3億円以下 |
300人以下 |
卸売業 |
1億円以下 |
100人以下 |
小売業 |
5千万円以下 |
50人以下 |
サービス業 |
5千万円以下 |
100人以下 |
個人事業主やフリーランスも対象ですが、「gBizIDプライムの取得」「開業届の提出」「確定申告実績」などが要件として求められます。なお、暴力団関係者や法令違反がある事業者は対象外です。
申請できる枠と補助金額・補助率の違い
IT導入補助金2025では、導入目的や企業の課題に応じて申請できる「枠」が複数用意されています。
大きく分けて「通常枠」「インボイス枠」「セキュリティ対策推進枠」「複数社連携IT導入枠」の4種類があり、それぞれに補助対象、金額、補助率が異なります。自社に最適な申請枠を選ぶことで、最大限の支援を受けることが可能です。
通常枠・インボイス枠・セキュリティ枠の違い
IT導入補助金では、事業者の課題解決に合った支援が受けられるよう、申請枠ごとに対象とする導入目的が異なります。以下の表で、代表的な枠の違いを整理します。
枠名 |
主な目的 |
補助対象のITツール例 |
対象事業者の特徴 |
通常枠 |
業務効率化、 |
会計ソフト、 |
中小企業・個人事業主の全般 |
インボイス枠 |
電子インボイス |
請求書発行・管理 |
適格請求書発行事業者、 |
セキュリティ対策 |
サイバーセキュリティ |
ウイルス対策ソフト、ファイアウォール |
中小企業全般 |
複数社連携IT導入枠 |
地域・業界単位での |
複数事業者で使う |
商工会・団体・協業する |
それぞれの枠は「IT導入支援事業者」と連携することでスムーズに選定・申請が可能になります。
それぞれの補助金額・補助率の一覧表
申請枠ごとに補助される上限金額と補助率は異なります。以下の表で一覧化し、比較できるようにまとめました。
申請枠 |
補助上限額 |
補助率 |
特記事項 |
通常枠 A類型 |
最大150万円未満 |
1/2以内 |
対象プロセス数が少ない小規模向け |
通常枠 B類型 |
最大450万円 |
1/2以内 |
対象プロセス数が4つ以上必要 |
インボイス枠 |
最大350万円 |
補助対象経費50万円まで 中小企業:3/4(75%) 50万超 一律:2/3(66.7%) |
インボイス制度対応のITツールが |
セキュリティ |
最大150万円 |
小規模事業者:2/3(66.7%) 小規模以外 :1/2(50%) |
SECURITY ACTION「★★(二つ星)」の宣言が必要。サイバーセキュリティ対策に特化したITツールやサービスの導入が対象。 |
複数社連携 |
450万円 × 事業者数 |
2/3以内 |
原則5者以上の連携が条件 |
※2025年度の公募情報に基づく内容です。補助率は条件により異なる場合があります。
申請から補助金受給までの流れを解説
IT導入補助金の申請は、ただ書類を提出すれば終わる単純な手続きではありません。事前準備から交付申請、事業実施、実績報告、そして補助金の受け取りまで、一連のステップを着実に踏む必要があります。
ここでは、必要な手続きとスケジュール感を明確に把握し、スムーズに補助金を受給するための流れを解説します。
gBizID・SECURITY ACTIONなどの事前準備
申請前には以下の準備が必須です。特に「gBizIDプライム」の取得には2週間以上かかるため、早めの対応が求められます。
項目 |
目的 |
所要時間の目安 |
gBizIDプライム |
補助金の電子申請に必須 |
2〜3週間程度 |
SECURITY ACTION |
セキュリティ対策の自己宣言(★もしくは★★) |
即日〜3営業日程度 |
みらデジ経営チェック |
デジタル導入状況の把握(申請要件の一部) |
10分程度 |
gBizIDは紙の申請が必要なため、準備が遅れると全体のスケジュールに影響します。
IT導入支援事業者の選定と連携
補助金申請は、IT導入支援事業者と連携しながら進める必要があります。導入予定のITツールが登録されている事業者を選び、申請計画や見積もりの作成を協力して行います。
以下のポイントを押さえると、選定ミスを避けられます。
・ツールの導入実績が豊富で、採択率が高い支援事業者を選ぶ
・無料相談や事前診断を提供しているか確認する
・申請支援から実績報告まで一貫して対応してくれるかチェックする
支援事業者によっては、加点要素の提案や資料作成サポートを行うため、採択率に大きく関わる部分となります。
申請から交付、受給までのステップ
申請の全体フローは以下のとおりです。ステップごとに注意点があります。
ステップ |
内容 |
所要期間の目安 |
① 事前準備 |
gBizID取得・チェックリスト記入 |
2〜3週間 |
② 支援事業者と打ち合わせ |
ツール選定・見積もり・申請書類作成 |
1〜2週間 |
③ 交付申請 |
ポータルにてオンライン申請 |
審査期間:約1ヶ月 |
④ 交付決定通知 |
採択結果が通知され、契約・導入が可能になる |
- |
⑤ 事業実施・支払い |
ITツールの導入、支払い、導入報告書類の準備 |
1〜2ヶ月 |
⑥ 実績報告 |
事業完了後に成果報告を提出 |
- |
⑦ 補助金請求・受給 |
審査通過後、補助金が振り込まれる |
約2ヶ月 |
申請から受給までは4〜6ヶ月かかるのが一般的です。
よくある誤解と注意点
IT導入補助金は、制度を正しく理解しなければ、採択されないばかりか自己資金の準備不足や計画の不備によって大きな損失を生むリスクもあります。ここでは申請者が陥りやすい代表的な誤解と注意点を3つ解説し、正しい活用に導きます。
パソコンやハードウェア単体では対象外
よくある誤解のひとつが「パソコン購入に補助金が使える」という認識です。しかし、IT導入補助金は単体のハードウェア購入には適用されません。
対象外の例 |
理由 |
ノートパソコンのみ購入 |
業務プロセス改善に直結するITツールではない |
複合機やプリンター単体 |
ソフトウェアとの組み合わせが必須 |
サーバー機器のみ |
導入目的が不明確な場合は認められない |
補助対象とするには、業務改善や生産性向上に寄与するITツールと組み合わせた構成が必須です。
補助金は後払い、自己資金計画が必須
補助金は交付決定後に事業を実施し、実績報告を提出したあとで支給される「後払い形式」です。申請採択がゴールではなく、自己資金での一時立て替えが必須となります。
ポイント |
解説 |
交付決定前の契約・発注は禁止 |
補助対象外となるリスクがある |
支払い後に実績報告が必要 |
書類不備があると支給が遅れる |
補助金受給まで4〜6ヶ月程度 |
資金繰りに余裕のある計画が重要 |
自己資金の準備や、支払いスケジュールの管理を支援事業者と連携して進めることが、成功の鍵を握ります。
事業計画の質が採択率を左右する
補助金の審査では、単なるツール導入ではなく「なぜそのITツールが必要なのか」が重視されます。形式的な計画では採択されにくく、実効性のある計画書が求められます。
加点を狙うポイントは以下の通りです:
・生産性がどのように向上するかを数値で明示
・セキュリティ対策や賃上げ目標といった政策連動項目の反映
・ツール導入による業務効率化の流れをフロー図で提示
「採択される計画書」の作成には専門知識が必要です。実績ある支援パートナーとの連携が成功率を大きく高めます。
まとめ:IT導入補助金を活用して生産性を向上させよう
IT導入補助金は、単にシステムを導入するための資金援助ではなく、中小企業や個人事業主が経営課題を解決し、生産性を高めるための実践的な手段です。目的や導入内容を正しく設計すれば、経費の最大3/4が補助される可能性もあります。
しかし、誤解や準備不足により申請が不採択になるケースも多いため、制度を正確に理解し、計画的に申請を進める必要があります。
補助金申請は、自力で完結できるほど単純ではありません。特に次のような場面では専門家の支援が有効です。
・どの申請枠に該当するか判断が難しい
・事業計画や効果説明に自信がない
・gBizIDやみらデジチェックの取得が手間に感じる
補助金制度に精通したプロによる事前相談・無料診断サービスを活用することで、ミスのない申請準備が可能になり、採択の確率が格段に上がります。
IT導入の第一歩はプロによる診断から
補助金の活用がゴールではありません。重要なのは、補助金を通じて導入したITツールが事業にどのような成果をもたらすかです。
そのためには、IT導入前に「本当に自社に必要なツールは何か」「導入後にどう使いこなせるか」を明確にする診断が不可欠です。
PULL-NETでは、初めての申請でも安心して進められるサポート体制が整っています。
補助金活用の第一歩を確実に踏み出すなら、プロに相談するのが最短ルートです。

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