【2025年版】IT導入補助金通常枠の完全ガイド
IT導入補助金の「通常枠」は、業務効率化や売上向上を目的にITツールを導入する中小企業・個人事業主を支援する代表的な制度です。しかし、「通常枠って具体的にどんな条件があるの?」「補助率はどのくらい?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
本記事では、通常枠の概要、補助内容、対象となる事業者、そして申請スケジュールまでを網羅的に解説。申請を検討している方がスムーズに行動へ移せるよう、必要な情報をわかりやすくお届けします。
目次
IT導入補助金とは?通常枠の基本をおさらい
通常枠の目的と他枠との違い
IT導入補助金は、中小企業や個人事業主がITツールを導入し、業務の効率化や生産性向上を図るための制度です。なかでも「通常枠」は、業務プロセス全体のデジタル化を支援する基本的な枠として位置づけられています。
他の申請枠との主な違いは、補助対象が広く、汎用性が高いことです。インボイス対応類型やセキュリティ対策推進枠は目的や対象が限定的ですが、通常枠では以下のような幅広いITツールが対象となります。
申請枠名 |
対象経費の特徴 |
補助対象の一例 |
通常枠 |
幅広いITツールが対象 |
業務管理ソフト、クラウドサービスなど |
インボイス枠 |
特定機能 (会計・受発注・決済)限定 |
会計ソフト、タブレット等 |
セキュリティ対策推進枠 |
セキュリティ強化目的のツール |
セキュリティソフト、サポート費用 |
通常枠は、DXの初期段階にいる事業者にも最適な選択肢です。
2025年度版の変更点と特徴
2025年度の通常枠には以下の変更点が加えられ、補助の使いやすさが強化されました。
【補助率の引き上げ(最大2/3)】
最低賃金近傍の事業者(地域別最低賃金+50円以内の従業員が全体の30%以上)に対しては補助率が1/2から2/3に拡大されました。
【活用支援の補助対象化】
ツール導入後の定着支援(研修、マニュアル作成、運用サポートなど)にも補助金が適用されます。
【補助対象経費の明確化】
業務プロセスが4つ以上ある場合は最大450万円の補助が受けられます。業種による制限もなく、幅広く申請が可能です。
これらの改正により、ITツールの導入から定着までを一貫して支援できる仕組みが整備されています。
通常枠で補助対象となるITツールの例
通常枠では、以下のような業務改善に資するITツールが補助対象です。
補助対象カテゴリ |
内容例 |
ソフトウェア |
会計ソフト、販売管理ソフト、在庫管理システム、 予約管理システムなど |
クラウドサービス |
顧客管理システム(CRM)、 マーケティング自動化ツール(MA)など |
オプション・ 連携ツール |
データ連携ツール、セキュリティ強化ソフト |
役務提供 (サービス) |
ITコンサルティング、導入支援、研修、マニュアル作成、 保守サポート |
例えば、「HubSpot」や「kintone」といったツールも対象になっており、業務プロセスごとに最大450万円まで補助されます。対象ツールの詳細確認や導入の可否は、PULL-NETの無料相談を活用するとスムーズです。
通常枠の補助内容と条件を徹底解説
補助金額・補助率の範囲と分類
通常枠では、導入するITツールの業務プロセス数に応じて、補助金額と補助率が変動します。以下に詳細をまとめました。
業務プロセス数 |
補助金額の範囲 |
補助率(中小企業) |
補助率(最低賃金近傍) |
1~3プロセス |
5万円〜150万円 |
1/2 |
2/3(条件を満たす場合) |
4プロセス以上 |
150万円〜450万円 |
1/2 |
2/3(条件を満たす場合) |
最低賃金近傍の事業者とは、3か月以上にわたり「地域別最低賃金+50円以内」で雇用している従業員が全体の30%以上を占める事業者を指します。
この条件に該当する場合、補助率が通常よりも高くなるため、非常に有利です。
申請対象となる事業者の条件
通常枠では、以下のような要件を満たす中小企業・個人事業主が申請できます。業種ごとに「資本金または従業員数」で区分されています。
業種区分 |
資本金の上限 |
常時雇用の従業員数上限 |
製造業・その他 |
3億円以下 |
300人以下 |
卸売業 |
1億円以下 |
100人以下 |
小売業 |
5千万円以下 |
50人以下 |
サービス業 |
5千万円以下 |
100人以下 |
また、個人事業主やフリーランスも申請可能ですが、開業届の提出が必須です。確定申告をしていないケースや、副業扱いの活動では認定されない可能性が高いため注意が必要です。
通常枠の採択要件と審査ポイント
通常枠の申請では、以下のポイントが審査基準として重視されます。
【事業計画とITツールの整合性】
導入するツールが事業課題の解決や生産性向上にどうつながるのかを明確に記述する必要があります。
【業務プロセスの数と網羅性】
対象となる業務プロセスが複数にわたるほど、採択の可能性が高まります。少なくとも1つ以上のプロセスをカバーしていなければ申請できません。
【IT活用の定着に対する姿勢】
導入後の活用支援(研修・保守・マニュアル作成など)を申請内容に含めている場合、審査で加点される可能性があります。
【加点要素の活用】
以下のような要素を盛り込むと審査上有利になります。
加点項目 |
内容例 |
みらデジ経由申請 |
「みらデジ」の自己診断結果を活用した申請 |
賃上げ計画 |
賃金引上げを伴う事業計画の提出 |
インボイス制度対応ツールの活用 |
会計・請求管理系ツールを含む構成にする |
採択率を高めるためには、申請内容を整理し、信頼できるIT導入支援事業者と連携することが極めて重要です。申請サポートを活用すれば、要件整理から計画書作成、提出までをスムーズに進めることが可能です。
通常枠のスケジュールと申請の流れ
交付申請から補助金受給までの流れ
IT導入補助金(通常枠)は、以下のようなフローで申請から受給まで進みます。
ステップ |
内容 |
① IT導入支援事業者との連携 |
導入ツールと申請のサポートを担う事業者と連携を開始 |
② gBizID・SECURITY ACTION取得 |
必須アカウント・自己宣言の取得 (2週間〜3週間程度かかる場合あり) |
③ ITツール選定・事業計画作成 |
課題に合ったツール選定と、計画書の策定 |
④ 交付申請 |
ポータルから電子申請 (申請内容は支援事業者と共同で作成) |
⑤ 採択・交付決定 |
審査を経て交付決定(申請からおおよそ1か月程度) |
⑥ ツール契約・導入 |
自己負担分の支払い・導入実施、成果の可視化 |
⑦ 実績報告・補助金請求 |
導入完了後に証憑を提出し補助金申請 (問題なければ数週間以内に入金) |
交付決定前の契約や支払いは補助対象外となるため、必ず「交付決定後」に着手することが大前提です。
事前準備に必要なアカウントと申請書類
申請準備には、以下のアカウントと書類の事前取得が必須です。
必須項目 |
内容説明 |
備考 |
gBizIDプライムアカウント |
行政手続きに必要な法人 ・個人事業主アカウントが必要 |
発行に2〜3週間要する場合あり |
SECURITY ACTION |
情報セキュリティ対策の自己宣言(★一つ以上) |
インターネットで即日登録可能 |
法人の場合:履歴事項 全部証明書 |
法人登記情報を証明する公式書類 |
発行日から3か月以内のものが 必要 |
個人事業主の場合: 開業届写し |
所轄税務署に提出した開業届の 控え |
未提出の場合、申請不可 |
直近の確定申告書一式 |
売上規模や業種確認に使用 |
電子申告の場合、受信通知も必須 |
これらの書類が揃っていないと申請が進められません。とくにgBizIDの取得は時間がかかるため、申請締切の1か月以上前には準備を始めるのが理想です。
2025年度の公募締切と注意すべきタイミング
2025年度のIT導入補助金(通常枠)は、複数回の公募スケジュールが設定されています。直近の公開情報をもとに、予定されている公募締切を以下にまとめました。
申請回 |
申請締切予定 |
採択結果公表 |
第1回 |
2025年4月下旬 |
2025年5月中旬 |
第2回 |
2025年6月中旬 |
2025年7月上旬 |
第3回 |
2025年8月上旬予定 |
2025年8月下旬 |
第4回 |
2025年10月中旬予定 |
2025年11月上旬 |
※日程は変更となる可能性があるため、常に公式情報を確認する必要があります。
また、IT導入支援事業者との調整や書類の不備解消に時間を要するケースが多く、直前申請では間に合わない可能性もあります。
余裕を持ったスケジュールで準備を進めることで、焦りやミスを避けて確実な申請ができます。
PULL-NETでは、補助金スケジュールに合わせた無料診断や申請支援も実施しています。タイミングを逃さず、補助金を最大限に活用したい場合は、早めの相談が有効です。
よくある誤解と通常枠の正しい活用方法
通常枠はパソコン購入だけには使えない?
IT導入補助金を検討している事業者の中には、「補助金でパソコンを買える」と考える方も少なくありません。しかし、これは大きな誤解です。通常枠ではパソコン単体の購入は補助対象外とされています。
補助対象となるのは、以下のようにITツールと連携・一体化して活用されるものに限られます。
補助対象になりやすい機器 |
補足条件 |
POSレジ一体型端末 |
専用ソフトと組み合わせて利用 |
タブレット端末(例:会計アプリ専用) |
補助対象ソフトの使用を前提とした導入 |
特定の業務プロセスに対応した機器 |
ITツールと一体的に活用される場合に限る |
単なるハードウェアの更新や設備投資を目的とした申請は不採択となる可能性が高いため、ITツールを軸にした申請設計が必要不可欠です。
補助金は後払い?資金計画に注意
IT導入補助金は「後払い方式」が基本です。補助金の交付は、ツール導入後に事業者自身が実績報告を提出し、審査を経てから支払われます。そのため、導入費用の全額を一度自己負担しなければならない点に注意が必要です。
フロー |
金銭的な動き |
契約・導入・支払い |
自社で一括支払い(全額) |
実績報告の提出 |
支払証明書・成果資料などを添付 |
補助金の交付(後日) |
補助対象額に応じた金額が振り込まれる |
資金繰りに不安がある場合は、導入費用の分割払いに対応したIT導入支援事業者を選んだり、一時的につなぎ資金を用意する準備を整えておくことが重要です。
不採択を避けるために確認すべきポイント
通常枠は他の枠と比べて応募者数も多く、審査に通過するには明確な戦略が求められます。不採択の主な原因を以下に整理しました。
不採択の原因 |
対策ポイント |
導入ツールと事業内容の整合性が薄い |
自社の業務課題とツールの機能を丁寧に紐づけて 記述する |
書類の不備や記載ミスがある |
専門家によるチェックを事前に受けてから申請する |
必須要件を満たしていない |
gBizID未取得、開業届未提出などの事前確認を徹底する |
業務プロセスの数が少ない |
申請書で4プロセス以上を示すと、加点対象になりやすい |
加点項目(みらデジの活用、賃上げ方針など)を取り入れることで採択率を高められる点も見逃せません。初めての申請では特に見落としがちなポイントが多いため、専門家や支援事業者との連携が採択のカギとなります。
まとめ:通常枠を活用して業務改善を加速しよう
申請成功のカギは早めの準備と専門家の支援
IT導入補助金の通常枠は、デジタル化による業務効率化やコスト削減を目指す中小企業・個人事業主にとって、極めて有効な制度です。しかし、補助率や対象条件が明確に決まっており、申請に必要な準備も多岐にわたるため、早期の情報収集と戦略的な準備が成功の分かれ道となります。
特に以下の点に注意しながら進めると、採択率が大きく高まります。
・導入ツールが自社の業務課題に合っているかを整理
・gBizIDなどのアカウントを早めに取得
・業務プロセスの数を意識した構成にする
・加点要素(みらデジ、賃上げ計画)を盛り込む
・支援事業者との連携で申請書の完成度を高める
初めての申請や、制度の全体像に不安がある場合には、専門家のサポートを活用することで安心して進められます。
無料診断・支援ツールで不安を解消しよう
「自分の業種でも対象になるのか?」「導入したいITツールは補助の対象なのか?」といった疑問を抱える方は少なくありません。こうした不安を解消するためにも、無料診断や支援ツールの活用が効果的です。
・自社の状況に応じた補助金対象可否の診断
・導入希望ツールの補助対象かどうかの照会
・スケジュールに合わせた申請計画の提案
・採択率を高める申請書作成のアドバイス
申請のハードルを下げ、確実に前に進めるためのパートナーとして、IT導入支援事業者の活用は不可欠です。
PULL-NETでは、IT導入補助金に関する無料相談や診断を随時受け付けています。
申請の流れがわからない、採択されるか不安、ツール選定で迷っているという方は、今すぐPULL-NETまでお問い合わせください。経験豊富な専門スタッフが、補助金活用の第一歩をしっかりサポートします。

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