【2025年版】IT導入補助金でクラウド利用料も対象!ツール例と条件を解説
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公開日 2025年06月05日  更新日 2025年06月27日

【2025年版】IT導入補助金でクラウド利用料も対象!ツール例と条件を解説

【2025年版】IT導入補助金でクラウド利用料も対象!ツール例と条件を解説
クラウドサービスの導入を検討している中小企業や個人事業主にとって、IT導入補助金は非常に心強い制度です。

特に2025年度の制度では、クラウド利用料が最大2年分まで補助対象となり、通常枠やインボイス枠など複数の申請枠で利用可能です。ただし、補助を受けるにはツールの選定や事前準備、枠ごとの条件をしっかり把握する必要があります。

本記事では、クラウドサービスが補助対象となる条件、補助率、具体的なツール例、必要書類までを網羅的に解説します。導入コストを抑えて業務効率化を進めたい方は、ぜひ参考にしてください。

IT導入補助金でクラウド利用料は補助される?

IT導入補助金では、クラウド型のソフトウェアやサービスの「利用料」も補助対象に含まれています。

2025年度の制度においては、利用料の最大2年分が補助対象となり、中小企業や小規模事業者にとって継続的なIT活用を推進しやすい仕組みとなっています。

対象となるのは、会計・販売・労務管理など、業務プロセスの効率化を目的としたクラウドサービスです。なお、補助対象となるには、事前に認定を受けたIT導入支援事業者が登録する「ITツール」である必要があります。

導入後の定着・活用支援費用も補助対象に追加されたため、単なる導入だけでなく、実務への定着まで含めたサポートを受けながら申請する企業が増えています。特に、HubSpotなどマーケティング自動化ツールとの組み合わせは、近年注目が集まっており、申請数も増加傾向にあります。

適用範囲や申請条件を正確に把握することで、戦略的なクラウド活用と費用削減を同時に実現できます。

補助対象となるクラウドサービスの種類

補助金の対象となるクラウドサービスには、以下のようなジャンルがあります。

サービスカテゴリ

代表的な機能例

対象業種(例)

会計ソフト

仕訳入力、決算書作成、税務申告対応

全業種

販売管理

見積・受発注・在庫・請求管理

卸売業、小売業

顧客管理(CRM)

顧客データ管理、営業活動の記録

サービス業、IT企業

労務管理

勤怠、給与計算、マイナンバー管理

飲食、製造、小売

EC構築・予約管理

ネットショップ構築、顧客予約機能

小売、観光、美容・医療

これらのクラウドツールのうち、IT導入支援事業者が事前に登録したものだけが補助対象です。登録ツールは「IT導入補助金ポータル」で検索できます。対象かどうか不明な場合は、必ず支援事業者に確認してください。

最大2年分が対象に!補助率や上限額を解説

クラウド利用料に関する補助の内容は、申請枠ごとに補助率や上限が異なります。
以下の表に整理しました。

補助枠

補助率

利用料の上限額

備考

通常枠

1/2

最大450万円
(A・B類型)

利用料は最大2年分が対象

インボイス枠
(小規模)

4/5
(上限50万円まで)

最大350万円
(類型により異なる)

50万円を超える部分は
2/3が補助対象

複数社連携IT
導入枠

2/3

最大3,000万円
(共同体あたり)

活用支援費用や研修費も
補助対象に追加

たとえば、会計クラウドソフト(年間利用料30万円)を導入する場合、小規模事業者であれば24万円(4/5)が補助される計算です。2年分で48万円の支援が受けられる可能性があります。

また、導入後のサポート費用(コンサルや定着支援)も2025年度から対象になっており、導入に不安を抱える事業者にも優しい制度設計です。これにより、補助金を活用して実質的な導入コストを大きく抑えることが可能になります。

どの補助枠でクラウド利用料が対象になるのか

クラウドサービスの利用料は、IT導入補助金の複数の申請枠で補助対象として認められています。ただし、補助枠によって補助率や上限額、対象となる事業者の条件が異なります。申請前に自社の状況を確認し、最適な枠を選ぶことが重要です。

クラウド利用料が対象となるのは、主に「通常枠」「インボイス枠」「複数社連携IT導入枠」の3種類です。どの枠を選ぶかによって、必要な書類や支援内容も変わってくるため、制度全体を正しく理解したうえで申請を進める必要があります。

通常枠・インボイス枠・複数社連携枠の違い

IT導入補助金2025では、目的や対象によって「通常枠」「インボイス枠」「複数社連携IT導入枠」の3種類の補助枠が用意されています。

それぞれ補助率や上限額、申請条件が異なるため、自社の状況に合った枠を選ぶことが重要です。

補助枠

対象者

補助率

補助上限額

主な特徴

通常枠

中小企業全般

原則1/2以内

※最低賃金近傍の従業員を一定数以上雇用する場合は2/3以内

1プロセス以上:
5万~150万円未満

4プロセス以上:
150万~450万円以下

業務改善を目的とした
汎用的なITツール導入に活用可能

インボイス枠
(小規模)

小規模事業者

50万円まで:4/5以内

50万円超~350万円まで:2/3以内

最大350万円

インボイス制度への対応を支援する枠で、ツール導入による対応が求められる

複数社連携枠

共同体
(複数の中小企業
が連携)

2/3以内

最大3,000万円
(共同体全体)

業界単位や地域単位での連携導入に適した大型枠。1社単独ではなく、協力体制が必須

通常枠は、業務プロセスの数に応じて補助上限額が変動します。最低でも1プロセス以上の業務に対応するITツールを導入する必要があり、4プロセス以上をカバーすることでより高額な補助を受けられます。

インボイス枠は、制度対応が急務となっている小規模事業者を主な対象としています。補助率が高く設定されている点が大きなメリットですが、対応内容がインボイス制度に即しているかを確認する必要があります。

複数社連携IT導入枠は、単独では実現が難しいIT導入を共同体で申請できる制度です。補助金額は大きいものの、連携体制の構築や全体での導入計画の整合性が求められるため、事前準備が不可欠です。

いずれの枠も併用には制限があるため、最新の公募要領を参照し、自社に最適な選択を行うことが大切です。枠の選び方に迷った場合は、支援事業者や補助金の専門サポートに相談することで、最適な申請ルートを見つけやすくなります。

それぞれの補助率・要件・対象者を比較

以下の表に、各申請枠の補助率や対象者要件を一覧で比較しました。

補助枠

補助率

補助上限額

主な対象者

備考

通常枠
(A・B類型)

1/2

最大450万円
(ITツール)

中小企業
小規模事業者

2年分のクラウド利用料が対象

インボイス枠
(小規模)

4/5(50万円以下)

3/4(50万円超)

2/3(上限350万円)

最大350万円

小規模事業者
(特に個人)

特定業種(卸売・小売・建設など)

複数社連携枠

2/3

最大3,000万円(共同体全体)

事業者連携体
(複数社による申請)

活用支援費や研修費も含まれる

たとえば、クラウド会計ソフトやCRMを導入する場合、少額であればインボイス枠を活用する方が補助率が高くお得です。一方で、企業連携による業界DXなどに取り組む場合は、複数社連携枠を検討すると補助対象経費の幅が広がります。

補助金の申請枠ごとの制度理解と、申請計画の立て方が非常に重要です。適切な支援事業者を見つけて早期に相談することが、採択とスムーズな補助金活用への第一歩となります。

補助対象となる具体的なクラウドツール例

IT導入補助金では、クラウドサービスの利用料が補助対象経費として認められていますが、対象となるにはいくつかの条件を満たす必要があります。

特に、IT導入支援事業者を通じて事前に登録されたITツールに限り、対象として扱われます。

どのようなクラウドサービスが補助金の対象になるのか、具体例を紹介しながら詳しく見ていきましょう。

会計・請求・人事労務ソフトなどの例

以下に、補助対象となりやすいクラウド型ソフトウェアの例を紹介します。
いずれも業務効率化・生産性向上を目的としたものです。

カテゴリ

ツール例

補助対象になりやすい理由

会計ソフト

freee会計、
マネーフォワードクラウド会計

帳簿付けや決算処理の自動化により
業務負担を軽減

請求・売上管理

MakeLeaps、Misoca

見積書・請求書作成や送付の
自動化による業務効率化

勤怠・労務管理

SmartHR、ジョブカン勤怠管理

従業員の勤怠情報を一元管理し、
人事担当者の手間を削減

顧客管理(CRM)

HubSpot、Salesforce

顧客データ管理や営業プロセスの
可視化で売上増加に貢献

在庫管理・受発注

ZAICO、ロジクラ

商品在庫の可視化や受発注の
自動化によってミスを防止

これらのツールはすでにIT導入補助金の登録ITツールとして活用実績が多く、初めて補助金を申請する事業者にとっても安心して選びやすい製品です。

補助対象外になるクラウドサービスの注意点

一方で、以下のようなクラウドサービスは補助対象外と判断されやすいため、選定時には十分注意が必要です。

サービス種類

対象外とされる主な理由

汎用的なクラウドストレージ

業務プロセス改善に直接的に貢献しないため
(例:Google Drive、Dropbox単体)

メール・チャットツール

単体では業務効率化の根拠が弱い
(例:Slack、Chatworkなど)

ウェブ会議システム

生産性向上のエビデンスが不足する場合が多い
(例:Zoom、Teams単体)

広告・マーケティング
専用ツール

営業成果と結びつきが曖昧で、IT導入補助金の目的と乖離する

また、IT導入支援事業者が登録していないクラウドサービスは、たとえ有用でも補助対象とはなりません。利用予定のクラウドツールが補助対象として登録されているかは、事前に必ず「IT導入補助金ポータルサイト」や支援事業者に確認してください。

補助金の申請には、対象経費の正確な区分が求められます。補助金の返還を求められるリスクを避けるためにも、曖昧なツール選定は避けましょう。

申請時に必要な書類とgBizIDなどの準備

IT導入補助金でクラウド利用料の補助を受けるためには、事前に準備すべき書類やアカウントが複数あります。

申請手続きはオンラインで完結しますが、その分、事前の登録や証明書類の整備が不十分だと申請が差し戻されたり、スケジュールが遅れたりするリスクがあります。

ここでは、申請に必要なgBizIDやSECURITY ACTIONの概要、そしてクラウド利用料に関連する書類を一覧形式でわかりやすく解説します。

gBizIDプライム・SECURITY ACTIONは必須

IT導入補助金の申請を行うには、gBizIDプライムアカウントとSECURITY ACTIONの自己宣言が必須条件です。

項目

内容・注意点

gBizIDプライム

経済産業省が提供する法人向け共通認証システム。
申請者本人の実印や印鑑証明書が必要。
取得には2〜3週間かかる場合があるため早めに準備する。

SECURITY ACTION

中小企業の情報セキュリティ対策自己宣言制度。
最低限「★一つ星」の申請が必要。
申請は無料で、即日発行も可能。

どちらも補助金申請時に「取得済み」であることが前提です。特にgBizIDプライムは郵送手続きが必要で時間がかかるため、導入を検討し始めた段階で同時に取得準備を進めると安心です。

クラウド利用料申請に必要な提出書類一覧

クラウド利用料に関する補助金申請では、以下の書類を正確に準備しておく必要があります。法人・個人事業主問わず、基本的に共通です。

書類名

内容・注意点

申請者の身分証明書

個人事業主:運転免許証、住民票の写しなど
法人:履歴事項全部証明書(発行から3か月以内)

確定申告書または法人決算書

税務署受付印または電子申告受信通知付きのものが有効。
直近の年度の書類を準備する。

クラウドサービス契約書
(見積書)

利用料の明細が記載された見積書や契約書
(IT導入支援事業者を通じたもの)

導入ITツールの仕様書

補助対象となる業務プロセスの改善が記載されたもの。
支援事業者が用意する形式が一般的。

セキュリティアクションの
申請控え

★一つ星または二つ星の宣言画面の写し。
PDF保存して提出するケースが多い。

これらの書類は、事前に用意しておくことで、交付申請から実績報告までの流れを円滑に進められます。とくに見積書・契約書は、IT導入支援事業者との密な連携が必要です。早い段階から相談しておくと安心です。

活用事例と申請成功のポイントまとめ

IT導入補助金を活用してクラウドサービスを導入する中小企業が増えています。特に、業務効率化やコスト削減といった効果を実感できる事例も多く、補助金の有効活用がビジネスの成長を後押ししています。

ここでは、実際に補助金を活用した成功事例と、スムーズに申請を進めるために押さえるべき3つの準備ポイントを紹介します。

クラウド導入で業務改善した実例を紹介

補助金を活用してクラウドサービスを導入し、大きな成果を上げた企業の事例は以下の通りです。

業種

導入クラウドツール

改善内容

小売業

POSレジ・在庫管理システム

在庫回転率が改善し、月次棚卸作業時間が約40%短縮

建設業

工事日報クラウド管理

現場の報告をリアルタイム共有し、事務工数を月15時間削減

士業

会計・給与・契約書管理クラウド

書類の手入力作業が不要となり、経理担当の残業をゼロに

これらの実例は、クラウド利用料が補助対象となる今だからこそ実現できた改善効果です。業務の「見える化」と「属人化の解消」を目的に補助金を活用することで、定量的な成果につながる可能性が高まります。

スムーズな申請と採択の確率を高めるためには、以下の3つの準備が非常に重要です。

・gBizIDプライムとSECURITY ACTIONの取得
・補助対象ツールと事業目的の明確化
・信頼できるIT導入支援事業者との連携

これらの事前準備を丁寧に進めることで、採択率の向上と申請後のトラブル回避につながります。