【2025年版】IT導入補助金は開業初期でも使える?
開業したばかりの個人事業主や中小企業経営者にとって、少しでも初期コストを抑えたいというのは切実な課題です。そんなときに活用したいのが「IT導入補助金」。
しかし、「開業直後でも対象になるのか」「どんな書類が必要か」など、不安や疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、開業間もない事業者がIT導入補助金を活用できるかどうかをわかりやすく解説し、申請に必要な準備や注意点を具体的にご紹介します。初期投資を最小限に抑え、ビジネスを加速させたい方はぜひ参考にしてください。
目次
開業したばかりでもIT導入補助金は使える?
創業直後の事業者にとって、初期投資の負担は大きな課題です。IT導入補助金は、そうした事業者にとって非常に心強い支援制度です。しかし、開業したばかりの事業者でも補助金を活用できるのか、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
結論から言えば、「開業したばかりでも必要書類が揃えば申請は可能」です。ただし、多くの申請枠で「直近1期分の決算書類」や「納税証明書」などが求められるため、開業初年度は書類不足で申請が難しい場合があります。
開業から1期を経過し、必要書類が揃っていれば申請可能です。
とはいえ、制度の要件や必要書類には注意点が多く、準備不足のまま申請しても不採択になるリスクがあります。まずは制度の基本をしっかりと理解した上で、自社が対象となるかどうかを見極めることが重要です。
補助金制度の基本と申請対象の考え方
IT導入補助金は、業務効率化や売上拡大を目的として、中小企業や個人事業主がITツールを導入する際に、その費用の一部を国が補助する制度です。対象者は以下のように定められています。
項目 |
内容 |
法人格の有無 |
個人事業主でも申請可能(法人化不要) |
事業内容 |
日本国内で事業を営む中小企業・小規模事業者 |
証明書類 |
開業届(個人)、登記簿謄本(法人)が必要 |
登録 |
gBizIDプライムの取得が必須 |
また、導入するITツールは「IT導入支援事業者」に登録されているものに限られます。自社で自由に選んだツールを対象にすることはできません。
補助対象経費は、ソフトウェア導入費、初期設定、サポート費用、コンサルティング費などが含まれます。2025年度からは、導入後の活用支援(コンサルティングや定着支援など)も補助対象に加わりました。
開業直後でも対象になるケースとは
開業から数か月以内でも、以下の条件を満たせば申請は可能です。
・開業届の写しや履歴事項証明書が取得済みである
・実態のある事業活動を開始している(事務所・HPなど)
・IT導入支援事業者と連携してITツール導入計画を立てている
・gBizIDプライムを取得している
・SECURITY ACTION(一つ星または二つ星)を宣言済み
特にgBizIDやSECURITY ACTIONの取得には数週間かかることがあるため、開業後すぐに準備を始めることが重要です。公募期間内であれば複数回の申請機会があるため、まずは申請準備を整えることから始めましょう。
注意すべき非対象条件と申請NG例
一方で、以下のようなケースでは申請が認められない可能性があります。
・開業届を提出していない、または日付が直近すぎる
・実態のない法人や個人事業主(住所のみ存在など)
・他の補助金制度と重複して同じ内容で申請している
・IT導入支援事業者を通さずにツールを選定している
・購入・契約を先に済ませてしまっている(事前着手)
補助金申請においては、「事前着手禁止」が厳しく求められます。交付決定前に契約・支払いを行った場合、その費用は補助対象外になりますので、特に注意してください。
また、「IT導入補助金の申請はできるが、採択されるかは別問題」という点も重要です。書類の不備や導入計画の説得力が乏しい場合、審査に通らないケースが少なくありません。
申請に必要な書類と準備の進め方
IT導入補助金の申請を成功させるためには、制度理解だけでなく「必要書類の正確な準備」が不可欠です。特に開業直後の事業者は、書類の不備によって申請が却下されるケースが少なくありません。
ここでは、個人事業主と法人で異なる提出書類の違いや、gBizID・SECURITY ACTIONの取得方法、そして開業直後に利用されることの多い公的書類の扱い方について整理します。
個人事業主・法人別に必要な書類一覧
IT導入補助金の申請時に求められる主な書類は以下の通りです。
書類名 |
法人 |
個人事業主 |
履歴事項全部証明書(登記簿謄本) |
必要 |
不要 |
開業届の控え(税務署の受領印があるもの) |
不要 |
必要 |
納税証明書(法人税 or 所得税) |
必要 |
必要 |
本人確認書類(運転免許証、運転経歴証明書、または住民票のいずれか1つ) |
代表者分が必要 |
必要 |
gBizIDプライム登録 |
必須 |
必須 |
SECURITY ACTION(一つ星または二つ星) |
必須 |
必須 |
法人・個人の別にかかわらず、gBizIDとSECURITY ACTIONの2つの登録は必須条件です。また、開業初年度などで納税証明書や確定申告書が未提出の場合、申請できないか、追加書類が求められる場合があります。
gBizID・SECURITY ACTIONの取得方法
gBizIDプライムの取得方法
gBizIDは、補助金申請に必要な共通認証IDです。プライムアカウントが必要であり、以下の手順で取得できます。
・gBizID公式サイトにアクセス
・アカウント申請書をダウンロードし、必要事項を入力
・印刷・押印後、郵送にて提出
・約2〜3週間後にメールで登録完了通知を受信
※書類不備や押印漏れがあると申請が差し戻され、期間が延びるため注意が必要です。
SECURITY ACTION(一つ星または二つ星)
これは、情報セキュリティ対策自己宣言の制度です。IT導入補助金を申請するには、最低でも「一つ星」の宣言が必要です。
・IPAの公式ページからオンラインで申請
・宣言完了後に届くPDFを申請時に添付
2024年7月以降、SECURITY ACTIONの自己宣言ID取得には申請から数日~1週間程度かかるため、余裕を持った手続きが必要です。一度登録すれば更新の必要はなく、他の補助金申請でも活用可能です。
開業届・履歴事項証明書の活用ポイント
開業届(個人事業主向け)
開業届は、税務署に開業を届け出た証拠となる書類で、補助金の「事業実態の証明」として使用されます。
以下のような点に注意してください。
・税務署で受領印が押されているものを提出
・写真やPDFでの提出が可能(制度によって異なる)
開業日から日が浅い場合は、事業実態(事務所写真、HP、契約書など)を補足資料として提出することで審査が通りやすくなります。
履歴事項全部証明書(法人向け)
法人の場合は法務局から「履歴事項全部証明書(登記簿謄本)」を取得する必要があります。オンライン(登記ねっと)または法務局の窓口で入手できます。
・発行後3か月以内のものが有効
・代表取締役や所在地の確認ができるもの
この書類をもとに、補助金事務局は申請者の存在や代表権を確認しています。
開業初期におすすめのITツールと補助対象例
IT導入補助金を最大限に活用するには、「自社に合ったツール選び」が非常に重要です。開業したばかりの段階では、事業基盤を整えるために必要最低限のITツールを選定することが求められます。
ここでは、初期導入に適したITツールの活用事例を紹介するとともに、補助対象外とされる製品の特徴についても解説します。申請前に誤った選択をしないためにも、しっかりと確認しておきましょう。
会計・請求・業務管理ソフトの活用例
開業初期の事業者にとって、まず整備すべきはお金と業務の管理です。以下のようなクラウドツールは、IT導入補助金の補助対象として高く評価されています。
主な補助対象ツール例(会計・請求系)
ツール名 |
機能概要 |
対象枠 |
freee会計 |
会計・確定申告 |
インボイス枠・通常枠 |
マネーフォワードクラウド |
会計・請求・給与管理 |
インボイス枠・通常枠 |
弥生会計オンライン |
複式簿記・仕訳処理 |
通常枠 |
導入メリット
・青色申告や決算業務を効率化できる
・請求・入金の管理がクラウドで一元化される
・電子帳簿保存法やインボイス制度にも対応
補助対象経費には、ソフトのライセンス費用や導入支援費、操作研修なども含まれます。初期コストが不安な方でも、補助金の活用で大幅に負担を軽減できます。
EC・予約・POSなど小規模向け導入事例
小売業やサービス業など、開業時に「販売チャネル」や「顧客接点の整備」が必要な業種では、以下のようなITツールが補助対象として活用されています。
小規模事業者向けツールの活用事例
ツール分類 |
ツール例 |
利用シーン |
ECサイト構築 |
Shopify、BASE |
オンライン販売をスタートしたいとき |
予約管理 |
RESERVA、STORES予約 |
サロン、クリニック、個人教室など |
POSレジ |
Square、スマレジ |
店舗販売・キャッシュレス決済対応 |
導入のタイミングによっては、ECサイト+決済+在庫管理など複数機能をパッケージで申請することも可能です。
補助対象外とされるツールの特徴
IT導入補助金では、すべてのIT製品が補助対象になるわけではありません。申請しても不採択になる要因として、「補助対象外のツール」が含まれているケースが多く見受けられます。
補助対象外となる主な例
・家電製品(PC、プリンター、スマートフォンなど単体)
・一般的なオフィスソフト(Microsoft Office、Adobe Creative Cloudなど)
・汎用性が高く、事業拡大や業務効率化に資する根拠が弱いツール
・公開されていない、または支援事業者に登録されていないツール
家電製品(PC、プリンター、スマートフォンなど)は単体では補助対象外ですが、インボイス枠など一部の枠で「ITツールとセット」であれば補助対象となる場合があります。
また、導入済みのツールや、交付決定前に契約・発注されたものは事前着手とみなされ、補助対象外になります。
申請から入金までの流れとスケジュール感
IT導入補助金の申請を進めるにあたり、多くの方が不安に感じるのが「入金までの期間」です。特に資金繰りに余裕のない開業初期の事業者にとっては、スケジュールの把握と的確な準備が不可欠です。
ここでは、交付申請から補助金が入金されるまでの流れを時系列で整理し、想定される日数や注意点をわかりやすく解説します。
交付申請から交付決定までの手順
補助金の支給は「交付決定通知」が出てからスタートします。つまり、申請してすぐに導入や支払いができるわけではありません。交付申請から交付決定までの一般的な流れは次の通りです。
・IT導入支援事業者との相談・ツール選定
・gBizID、SECURITY ACTIONの取得
・交付申請書類の作成・提出
・審査(通常3〜4週間、申請が集中する時期はさらにかかる場合あり)
・交付決定通知の受領
補助金の交付申請は「公募期間内」であればいつでも可能ですが、申請が集中する締切前後は審査が遅れることもあるため、早めの提出が推奨されます。
実績報告と補助金入金のタイミング
交付決定通知を受けたら、ようやくITツールの契約・導入・支払いが可能になります。ここで重要なのが、「実績報告」というプロセスです。
フェーズ |
内容 |
所要目安期間 |
ITツール導入・費用支払い |
ツール導入後、請求書・領収書を発行 |
1〜2週間 |
実績報告書の作成 |
契約内容・費用証憑・導入成果を報告 |
約1週間 |
実績報告の審査 |
書類に不備がない場合はそのまま審査 |
約1〜2ヶ月 |
補助金入金 |
審査完了後、事業者の口座に振込 |
審査後1ヶ月以内 |
つまり、交付申請から入金までに平均して3〜5ヶ月程度かかるのが一般的です。入金までの期間を見越して資金計画を立てておく必要があります。
スケジュール遅延を防ぐコツと注意点
補助金の申請から入金までは複数のステップを経るため、ひとつのミスが全体のスケジュールを大きく遅らせる原因になります。
スムーズな申請のために気をつけたいポイント
・事前準備を怠らない
・交付決定前の契約・支払いは厳禁
・実績報告に必要な証憑を漏れなく保管
・IT導入支援事業者との連携を密にとる
開業直後の申請を成功させるためのポイント
開業間もないタイミングでIT導入補助金の申請を行うことは決して不可能ではありません。むしろ、事業の立ち上げ期に必要なITツール導入費用を軽減できる絶好のチャンスです。
ただし、審査を通過するためには準備すべきポイントがいくつか存在します。ここでは、特に重要な3つの観点から、採択される可能性を高める方法を整理します。
申請内容と事業計画の整合性を意識する
補助金申請で最も重視されるのは、「なぜそのITツールを導入するのか」「どのような成果が見込まれるのか」という導入理由の妥当性と目的の明確さです。
特に開業初期の段階では実績データが十分に揃っていないため、申請書類内で事業計画の具体性やIT導入の必要性を明確に説明することが採択の鍵になります。
開業直後は、事業の実績が少ない分、将来の計画や意図の明確化がカギになります。
押さえるべき観点
・事業計画書と申請書の内容が一貫しているか
・申請するITツールが実際の業務にどう役立つか明記しているか
・売上拡大・業務効率化など、成果の見込みを数値で示しているか
例)「freee会計の導入により、月次決算の処理時間を従来の12時間から6時間へ削減予定」
このように具体性のある導入目的と成果予測を提示することで、審査官の納得度を高めることができます。
支援事業者との連携をうまく進める方法
IT導入補助金の申請は、IT導入支援事業者(登録されたITベンダー)を通じて行う必要があります。したがって、単独で進めることはできず、支援事業者との連携が成功の鍵を握ります。
連携を円滑に進めるためのポイント
・導入したいITツールが、補助金制度に登録されているか確認
・支援事業者との初回打ち合わせで、事業の内容や課題を正確に伝える
・書類作成の役割分担や提出スケジュールを明確に共有
・疑問点は早めに解消し、申請締切に余裕をもって動く
多くの事業者は申請代行も行っており、不慣れな事業者でもスムーズに申請を進められる環境が整っています。
不安な場合は、まずプロに無料相談を】
開業したばかりの状態で「自分でも申請できるのか?」「どのツールが対象なのか?」と悩んだら、まずは経験豊富な専門家に相談するのが近道です。
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