【2025年版】IT導入補助金の対象企業は?条件もあわせて解説!
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公開日 2025年06月20日  更新日 2025年06月27日

【2025年版】IT導入補助金の対象企業は?条件もあわせて解説!

【2025年版】IT導入補助金の対象企業は?条件もあわせて解説!
IT導入補助金を活用したいと考えても、「そもそも自社は条件を満たしているのか?」「対象になる経費やツールは?」と疑問を抱く方は少なくありません。

補助金制度は年度ごとに内容が見直され、細かな条件も複雑です。しかし、正しい知識と準備があれば、多くの中小企業や個人事業主でも十分に申請可能です。

本記事では、IT導入補助金の申請条件をわかりやすく整理し、対象者・対象経費・準備書類などを具体的に解説します。制度を正しく理解し、スムーズな申請と採択につなげましょう。

IT導入補助金とは?制度の全体像と目的

IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者が業務効率化や売上向上を目指してITツールを導入する際に、その経費の一部を国が補助する制度です。2025年度も制度は継続され、補助対象の範囲はさらに広がっています。

制度の目的は、単なるIT化ではなく、事業の生産性向上と持続的な成長支援にあります。補助金は「通常枠」「インボイス枠」「複数社連携IT導入枠」などに分類され、それぞれに要件や補助上限額が異なります。たとえば通常枠は1/2以内、最大450万円まで、インボイス枠では補助率4/5以内といった具合です。

以下のように、用途に応じて枠を選ぶ必要があります。

補助枠

補助率

補助上限額

特徴

通常枠

1/2以内

最大450万円

プロセス数によって補助額が変動

インボイス枠
(小規模)

最大4/5

最大350万円

電子インボイス対応、小規模事業者が主な対象

複数社連携IT
導入枠

2/3以内

最大3,000万円
(共同体)

地域や業界をまたぐ連携体制でのIT導入が対象

「2025年度は『最低賃金近傍の事業者』に該当する場合、通常枠でも補助率が2/3に引き上げられます。また、インボイス枠・複数社連携枠ではハードウェアも補助対象となり、セキュリティ対策推進枠も新設されています。

中小企業・小規模事業者が対象

IT導入補助金の対象となるのは、原則として日本国内に本社を有する中小企業または小規模事業者です。業種ごとに資本金や従業員数などの定義が異なります。

以下に代表的な対象基準を示します。

業種

資本金の上限

常時使用する
従業員数の上限

製造業等

3億円以下

300人以下

卸売業

1億円以下

100人以下

小売業

5,000万円以下

50人以下

サービス業

5,000万円以下

100人以下

ただし、みなし大企業(親会社が大企業の場合など)は対象外とされるため注意が必要です。2025年度は『みなし同一法人』の考え方が導入され、資本関係がより厳格に審査されます。

個人事業主も対象となりますが、開業届の提出や確定申告など、一定の事業実態を示す書類が求められます。2025年度は、開業から1年未満の事業者は申請できませんのでご注意ください。

どんなITツールが補助対象になるのか

IT導入補助金で補助対象となるITツールは、国に事前登録された「IT導入支援事業者」が提供するツールに限られます。

対象となるツールには、以下のようなカテゴリがあります。

・会計・財務管理ソフト
・請求・販売管理システム
・顧客管理(CRM)ツール
・勤怠・労務管理システム
・ECサイト構築サービス
・電子契約・電子インボイス対応ソフト
・ビジネスアプリ作成ツール
・ワークフロー
・BI・分析・解析専門ツール

クラウドサービスの利用料も最大2年分まで補助対象になるなど、導入後の運用を見据えた支援も受けられます。さらに、導入後の活用支援やコンサルティング費用も補助対象経費に含まれます。ただし、単なるオフィスソフトや汎用的なクラウドストレージは対象外とされます。

選定時には、補助金対象ツールに登録されているかをIT導入支援事業者に必ず確認しましょう。自社に適したツールを正しく選ぶことで、申請の採択率も大きく変わります。

ツール選びから申請まで、専門家と連携して進めることで、時間と手間を大幅に削減できます。PULL-NETでは無料相談も受け付けており、採択に向けた最適なサポートをいたします。

申請対象となる事業者の条件

IT導入補助金は、一定の要件を満たす中小企業・小規模事業者を対象としています。補助対象の可否は、業種や資本金、従業員数などで判断されます。また、法人だけでなく、条件を満たす個人事業主や創業初期の企業も対象になるため、幅広い事業者にとって活用可能な制度です。

ただし、2025年度は、開業から1年未満の事業者は申請できません。創業間もない場合は、営業実態や事業計画の具体性をより厳格に問われます。

正確な要件を理解し、自社が該当するかどうかを早めに確認しておくことで、申請準備をスムーズに進められます。

資本金・従業員数の基準と業種別一覧

IT導入補助金に申請できる事業者は、中小企業基本法に基づき、業種ごとに資本金と従業員数の上限が定められています。

以下の表をご覧ください。

業種区分

資本金の上限

常時使用する
従業員数の上限

製造業・建設業・運輸業

3億円以下

300人以下

卸売業

1億円以下

100人以下

小売業

5,000万円以下

50人以下

サービス業

5,000万円以下

100人以下

注意点として、「常時使用する従業員数」には役員やパートタイム従業員は含まれない場合があるため、事前に定義の確認が必要です。

また、いわゆる「みなし大企業」―たとえば親会社が大企業に該当するケースなど―は補助対象外となります。会社の独立性にも着目して判定が行われるため、グループ企業の資本関係も必ずチェックしておきましょう。

個人事業主や創業間もない企業も対象?

IT導入補助金は法人だけでなく、一定条件を満たす個人事業主も申請可能です(2025年度は、開業から1年未満の事業者は申請できません)。

たとえば、開業届を提出し、確定申告を行っている場合は「事業実態がある」と判断されます。

創業間もない企業でも、申請時点で営業活動を開始しており、補助対象経費の支出を証明できる場合は対象に含まれます。

ただし、創業直後の場合、以下のような点で注意が必要です。

・gBizIDプライムの取得(1〜2週間かかることがある)
・SECURITY ACTIONの自己宣言(申請前に登録必須)
・資金計画・事業計画の具体性(採択の可否に大きく影響)

特に、創業時は売上実績や事業継続性に関する裏付けが乏しいため、申請書類において「なぜIT導入が必要か」「どのように業務改善につながるか」を、定量的かつ論理的に説明することが求められます。

申請に必要な前提条件と準備項目

IT導入補助金の申請では、事前に整えておくべき必須の準備項目があります。申請要件を満たしていても、必要な手続きや書類が不十分な場合には申請そのものができません。

特にgBizIDやSECURITY ACTIONといった制度特有の前提条件は見落とされがちです。いずれも取得に1〜2週間かかるので早めに準備を進めることをお勧めします。

ここでは、スムーズに申請を進めるために必須の準備項目を確認していきます。

gBizIDプライムアカウントの取得

IT導入補助金を申請するには、まず「gBizIDプライム」の取得が必要です。これは政府が提供する法人向け共通認証システムで、オンライン申請における本人確認手段として使われます。

【gBizIDプライム取得のポイント】
・必要書類:印鑑証明書(法人は3か月以内発行のもの)
・手続き方法:gBizID公式サイトから申請、郵送による確認あり
・取得期間:1〜2週間程度かかるため早めの対応が必要

gBizIDプライムがない場合、補助金の申請システムへアクセスできません。開業直後や初めて申請する事業者は、補助金の検討を始めた段階で同時にgBizIDの準備を進めることが重要です。

SECURITY ACTIONの宣言登録

IT導入補助金の申請においては、独立行政法人IPAが実施する「SECURITY ACTION」への登録も必須です。これは、事業者が情報セキュリティ対策に取り組む意思表示として求められるもので、「一つ星」または「二つ星」の宣言が可能です。

申請においては「一つ星」で問題ありませんが、登録完了の証明書を提出書類に添付する必要があります。

・事業所情報(法人番号、所在地など)
・担当者情報(メールアドレスを含む)
・セキュリティ対策状況の自己チェック

登録はWeb上で15分ほどあれば完了しますが、証明書の発行・ダウンロードまで確実に実施しておきましょう。

直近の確定申告・決算書類の準備

補助金申請においては、事業の実態や経営の安定性を証明するため、直近の税務書類の提出が求められます。法人と個人事業主で必要な書類が異なるため、該当する形式に応じて準備してください。

区分

必要書類

備考

法人

決算書
(損益計算書・貸借対照表)

税務署受付印
または電子申告の受信通知必要

個人事業主

確定申告書Bの控え、
納税証明書(所得税)

控えには受付印
または受信通知を添付

・書類は直近分(1期以内)を提出
・電子申告の場合は、受信通知のPDF出力も添付必須
・「収支内訳書」や「青色申告決算書」も補足資料として求められることがある

申請スケジュールと申告時期がずれている場合は、補助金事務局へ事前相談しておくことでトラブルを防げます。

補助対象となる経費の条件と注意点

IT導入補助金では、どの経費が補助対象になるのかを正しく理解しておく必要があります。要件に合致しない費用で申請すると、審査で減点評価となったり、不採択になるリスクが高まります。

特にクラウド型のツールを導入する場合や、補助対象外となるハードウェアの扱いについては誤解されやすいため、あらかじめ明確に整理しておきましょう。

クラウド利用料や導入関連費用の範囲

補助対象となる主な経費は「ソフトウェアの利用に直接かかる費用」と「導入支援に必要な関連費用」です。とくにクラウド利用料は、対象期間の最大2年分まで補助の対象となります。

費用の種類

内容の詳細

ソフトウェア利用料

サブスクリプション型のクラウドサービス等

導入支援費用

操作指導、初期設定、マニュアル作成など

オプション機能の追加費用

本体機能と一体として活用する業務用機能に限る

保守サポート費

トラブル対応や継続的な運用支援にかかる費用

注意点として、補助対象経費は「IT導入支援事業者」があらかじめ登録したITツールに限られます。フリーランスや自社内で独自に開発したシステム、または登録されていないツールは対象外です。

ハードウェアや汎用サービスは対象外

IT導入補助金では、原則としてパソコンやタブレット、Wi-Fi機器などのハードウェアは補助対象外です。クラウドサービスと一体的に使う場合でも、物理的な端末や周辺機器の費用は認められていません。

補助対象外の経費例

理由

パソコン・タブレット

汎用的なハードウェアであるため

インターネット回線契約

ITツール導入とは直接関係しないため

汎用ソフト(Excel等)

業務特化のITツールではないため

オンラインストレージ単体

専用業務に特化していないと判断されやすい

また、レンタルやリース契約も補助対象にはなりません。クラウド利用料の中にハードウェアが含まれているプランも非対象となる場合がありますので、契約内容の詳細は支援事業者と確認しておくことをおすすめします。

採択されるために押さえておきたいポイント

IT導入補助金は、単に条件を満たせば採択されるわけではありません。審査に通るためには、事業計画の質やツール導入の必然性が論理的に説明されているかが重要です。とくに「B類型(4プロセス以上)」で申請する場合は、賃上げ目標の設定が必須条件です。

これは、政府の方針として「賃上げによる生産性向上」を重視している背景があるためです。一方、「A類型(1〜3プロセス)」では、賃上げ目標を設定すれば加点対象として評価されます。

こうした審査基準を正確に把握し、自社の状況に合わせた申請戦略を組み立てることが採択率アップのカギです。以下に、申請成功のために押さえるべき2つのポイントを解説します。

まとめ

採択の可否を大きく左右するのが事業計画書の内容です。補助金によって何を改善し、どのような効果が出るのかを、具体的かつ数値で説明する必要があります。

以下の観点を盛り込むことで、審査での評価を高められます。

・ITツール導入の背景と課題の明示
・現状と導入後の業務改善効果を定量的に示す
・経費の内訳が制度の条件を満たしているか
・B類型の場合は、賃上げ目標の具体性と実現可能性の根拠を示す

たとえば、「業務時間を月20時間削減し、削減分を顧客対応に回す」など、明確な成果イメージを持たせることが重要です。

支援事業者との連携による申請精度の向上

支援事業者は、IT導入補助金の申請支援に長けており、審査側が重視する観点を熟知しています。

特に初めて申請する事業者にとっては、支援事業者と連携することで以下のようなメリットが得られます。

項目

支援内容

効果

ツール選定

自社業務に適したITツールの提案

審査通過しやすい構成が作れる

書類作成

計画書・経費明細のチェックと修正

書類不備のリスクを最小化

賃上げ目標の策定

B類型での具体的な賃上げ計画の助言

採択基準を満たす計画を策定

スケジュール管理

申請から交付までの進行管理

期日遅れを未然に防ぐ

形式だけ整った書類ではなく、「なぜこのツールが必要で、どう効果を出すのか」がわかりやすく伝わる内容にすることが求められます。支援事業者との密な連携は、その質を担保するために欠かせません。

IT導入補助金の採択を目指すなら、制度の条件や審査の視点を的確に理解したうえで、事業に即した計画を立てる必要があります。

特にB類型での申請には、賃上げ目標の設定とその実行計画の整合性が問われます。申請に不安がある方は、専門家と連携して申請精度を高めるのが近道です。

PULL-NETでは、申請に向けた無料相談サービスを通じて、申請戦略の立案から実行までを徹底サポートしています。採択のチャンスを逃さないためにも、まずはお気軽にご相談ください。