【2025年版】IT導入補助金は他と併用OK?注意点を解説
IT導入補助金は中小企業のIT化を支援する強力な制度ですが、他の補助金や助成金と「併用できるのか」「併用すると不採択になるのでは」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
実際、制度ごとに併用可否のルールが異なり、理解不足が申請失敗の原因になるケースも見受けられます。
この記事では、IT導入補助金と併用可能な他制度や、併用が難しいパターン、注意点などをわかりやすく整理しています。
併用申請を検討している方や、他制度も活用してコスト削減を最大化したい方は、ぜひ参考にしてください。また、採択率を上げるための実践的なポイントも紹介します。
目次
IT導入補助金は他の補助金と併用できる?
IT導入補助金は、事業者が導入するITツールの経費を一部補助する制度です。ただし、交付申請時に他の補助金を受けていないことを証明する誓約があります。
特に同一の経費について、複数の公的支援制度から資金を受けることは原則として禁止されています。誤って重複申請すると、不採択や返還のリスクが高まるため、事前の確認が欠かせません。
また、IT導入補助金の申請には「交付申請時に他の補助金を受けていないことを証明する誓約」が求められます。併用を検討する場合は、対象となる経費や導入目的が重複しないよう明確に区分する必要があります。
原則禁止とされる補助金の重複について
IT導入補助金では、以下のような重複申請が認められていません。
経費の重複対象 |
併用可否 |
補足 |
同一ツールの購入費用を |
不可 |
二重補助に該当 |
IT導入補助金と小規模事業者 |
不可 |
目的が異なる場合でも |
IT導入補助金と事業再構築補助金を |
経費が明確に |
交付決定後に明確な |
補助金制度では、「同一年度・同一経費」の重複を避けることが原則です。
経費の区分が曖昧な場合や、制度の趣旨に沿わない申請は不採択や返還リスクが高まります。特にIT導入補助金は交付後の実績報告も求められるため、経費の使用内容が明確であることが重要です。
経産省・中小企業庁以外の制度との併用可能性
一方で、国の他の補助金(ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金等)や自治体・厚労省系助成金とも、経費や事業内容が重複しなければ併用できます。
特に自治体が実施する補助制度や厚生労働省系の助成金では、申請要件が異なる場合があり、併用が認められることがあります。
併用の可否判断が難しい代表例を以下に示します。
他制度名 |
実施主体 |
併用可否 |
ポイント |
地方自治体の創業支援補助金 |
市区町村 |
条件付きで可 |
対象経費が明確に分かれていれば可 |
働き方改革推進支援助成金 |
厚労省 |
可 |
経費区分・目的が明確であること |
IT導入補助金(インボイス枠) |
経産省 |
不可 |
同一年度・複数枠の併用は原則禁止 |
ポイントは、補助対象経費・事業内容・実施時期を完全に区別することです。
申請書類や実績報告で明確に説明できるように準備する必要があります。支援事業者と早めに相談し、申請前の段階で「併用できるかどうか」を明確にしておくのが得策です。
また、2025年度はIT導入補助金に「活用支援」も補助対象として追加されたため、導入後の運用支援費用を他制度と組み合わせる事例も増えています。
補助金の併用が認められるケースと注意点
IT導入補助金と他の補助金を併用する場合には、「併用可。となる条件は、補助対象経費が明確に分かれていること、かつ公募要領で併用不可とされていないことです。
基本的に、同一の事業や同一の経費について複数の補助金を適用する「二重補助」は禁止されていますが、事業目的・対象経費・申請主体などが異なる場合には併用が認められることもあります。
特に、地方自治体の支援制度や厚生労働省の助成金制度とは対象がかぶらないケースが多く、適切な使い分けをすれば併用可能なケースは意外と多く存在します。
ただし、併用申請にあたっては事前に明確な区分と説明が求められるため、準備段階から注意深く計画を立てることが重要です。
事業対象・経費が明確に分かれている場合
以下のように、事業や経費が明確に分かれていれば併用が可能とされます。
補助金の種類 |
対象経費の例 |
併用の |
併用時の条件 |
IT導入補助金 |
ITツール導入費 |
可 |
他制度と対象経費が重複していないこと |
小規模事業者 |
販促費 |
可 |
IT導入補助金とは別の経費に充当 |
働き方改革推進 |
勤怠システム導入 |
可 |
IT導入補助金のITツールとは異なるシステムであること |
たとえば、IT導入補助金で販売管理システムを導入し、持続化補助金でホームページ制作や広告費を補助対象とする構成は、経費の区分が明確で、かつ申請書・実績報告書でそれぞれの補助金の充当先を明記できれば併用が可能です。
申請書において「何に、どの補助金を使うのか」を正確に記述する必要があります。
「同一経費の二重補助」に該当しない条件とは
併用が認められるかどうかの判断基準は、「同一の経費に複数の補助金が充当されていないか」に尽きます。以下の条件をすべて満たす場合、二重補助とみなされず併用が可能です。
【併用が認められる条件の例】
・補助金ごとに対象となる経費が完全に分離されている
・それぞれの補助金で導入するサービス・設備が異なる
・交付申請書・実績報告書において重複していない経費項目が明記されている
・各補助金の公募要領で併用不可や制限事項がないこと
注意すべきは、たとえ事業内容が異なっていても、同一のシステムやツールの費用を複数の補助金に請求してしまうと、「同一経費の二重補助」に該当してしまう点です。たとえば、1つの会計ソフトのライセンス料をIT導入補助金と別の制度で併用申請することは原則として認められていません。
IT導入補助金の複数枠申請とその制限
2025年度のIT導入補助金には、「通常枠」「インボイス枠」「セキュリティ対策推進枠」「複数社連携IT導入枠」の4つの申請枠があります。
それぞれに目的や補助内容が異なるため、条件を満たせば別々の事業で活用できる場合もあります。ただし、すべての枠が併用可能というわけではなく、公募要領には明確な併用制限が記載されています。
特に、複数枠への同時申請は可能ですが、同一経費での重複申請は不可です。また、同一年度内に同じ枠で複数回採択されることはできません。申請時は、複数枠の使い分けや申請時期、交付決定の有無などを正しく把握しておく必要があります。
通常枠とインボイス枠の併用はできる?
通常枠とインボイス枠の併用に関しては、「同一年度内に同じ事業者が通常枠とインボイス枠の両方で採択されることはできません。」と明示されています。つまり、通常枠で交付決定を受けた事業者が、同年度内にインボイス枠を利用することは認められていません。
また、以下のような同時申請・併用も禁止されています。
組み合わせ例 |
同時申請の可否 |
補足 |
通常枠 + インボイス枠 |
× 不可 |
どちらか一方のみ選択が必要 |
インボイス枠(A類型・B類型)両方 |
× 不可 |
インボイス枠内の類型間も排他制限あり |
通常枠 + 通常枠(異なる事業) |
△ 条件付き |
前回交付決定から12ヶ月経過が条件 |
インボイス枠は、小規模事業者向けに設計されており、通常枠に比べて補助率が高く、申請要件が緩和されています。制度の趣旨が異なるため、交付決定を受けた枠以外との併用は制限されています。
複数社連携枠との関係と重複ルール
複数社連携IT導入枠は、異なる中小企業が共同でプロジェクトを組み、共通のITツールを導入する際に活用できる特別な枠です。補助上限は最大3,000万円(共同体あたり)と大きく、地域や業種を超えたデジタル化を支援するのが狙いです。
複数社連携IT導入枠は、他の枠との同時申請や同一年度内の併用はできません。翌年度に限り、前回交付決定から12ヶ月経過後に再申請が可能です。
枠の組み合わせ |
重複申請可否 |
備考 |
複数社連携枠 + 通常枠 |
× 不可 |
両枠間の重複利用は原則不可 |
複数社連携枠 + インボイス枠 |
× 不可 |
同様に排他的利用が求められる |
複数社連携枠(翌年度) |
○ 可能 |
前年度の交付決定から12ヶ月経過が条件 |
複数社連携枠は、個社でのIT導入よりも申請準備が複雑になるため、実施体制や事業計画の精度が重視されます。また、他の申請者との連携が前提のため、各社の役割分担や費用配分も詳細に説明する必要があります。
他制度と併用する際の事前確認と準備
IT導入補助金を他の補助金制度と併用する場合は、単に申請条件を満たせばよいわけではありません。まず重視すべきは、「同一経費の重複補助に該当しないか」という点です。
経済産業省をはじめとする各制度は、補助の目的・対象範囲・交付条件に明確な違いがあります。申請前には必ず各制度の公募要領を確認し、補助対象経費や併用可否、申請条件の違いを整理しましょう。
事前準備を怠ると、最悪の場合、申請却下や補助金の返還を求められるリスクもあります。下記のポイントを押さえて、慎重に対応を進めてください。
公募要領と各制度の利用目的を照らし合わせる
IT導入補助金は、業務効率化・DX推進のためのITツール導入を目的としています。一方、たとえば「小規模事業者持続化補助金」では販路開拓や経営計画の実行が主目的であり、「ものづくり補助金」は製造現場の革新や設備投資を想定しています。
このように、それぞれの制度が対象とする経費や目的は異なります。
併用を検討する際は、まず下記のような点を照合しましょう。
比較項目 |
IT導入補助金 |
小規模事業者持続化補助金 |
主な目的 |
業務効率化、DX推進 |
販路開拓、経営力向上 |
補助対象 |
ITツール、クラウド利用料 |
広告費、展示会出展など |
同一経費の補助 |
不可 |
不可 |
「ITツール購入費はIT導入補助金で、チラシ作成費は持続化補助金で」といったように、経費の区分が不明確な場合、審査で不採択や返還リスクがあるため、必ず申請書類で明確に区分しましょう。公募要領を事前に精読し、対象範囲に重複がないかを必ず確認してください。
支援事業者・専門家と連携して進めるべき理由
補助金の併用申請は、制度ごとに要件・手続き・提出書類が異なるため、単独で進めるのは非常に煩雑です。そのため、補助金申請に精通した支援事業者や行政書士などの専門家と連携することが極めて重要です。
特に、次のようなケースでは専門的な助言が不可欠になります。
・同時期に複数制度へ申請を行う場合
・申請内容が複雑で、事業目的の整理が必要な場合
・補助対象経費の仕訳や申請根拠の説明が求められる場合
支援事業者や専門家は、申請内容の精査、経費の区分整理、過去の採択事例に基づく最適な申請戦略の提案まで対応可能です。また、制度の最新動向にも精通しているため、事前のリスク回避にもつながります。
不安な場合はプロに相談しよう
IT導入補助金の併用申請には制度の正確な理解が欠かせません。申請要件や補助対象の違い、併用不可となるケースなど、申請者だけでは判断が難しい点が多くあります。特に、同一経費の重複補助や、複数制度にまたがる事業目的の整理は、申請全体の成否を大きく左右します。
制度改正や公募要領の更新が頻繁なため、自己判断ではリスクが高くなります。必ず最新情報を確認し、必要に応じてプロに相談しましょう。
補助金併用での失敗を防ぐための相談先
補助金の併用申請で最も多い失敗例は「同一経費を複数制度に計上してしまう」ことや、「公募要領上の禁止事項を見落とす」ことです。
公募要領に記載された禁止事項に抵触してしまうと、不採択や返還命令の対象になりかねません。
こうしたトラブルを避けるために活用すべき主な相談先は以下の通りです。
相談先 |
役割・特長 |
商工会議所・商工会 |
小規模事業者向け補助金の相談窓口。制度の概要を丁寧に案内 |
行政書士・税理士 |
書類作成や税務処理のプロ。制度横断的な対応が可能 |
認定支援事業者 |
補助金申請の代行・サポートを行う専門機関 |
補助金特化サービス |
採択実績豊富で、他制度併用にも対応可能 |
初めての申請や複数制度の併用には、制度に特化した支援サービスを選ぶのが得策です。
PULL-NETの無料相談サービスで安心サポート
PULL-NETは、IT導入補助金や他の補助金の併用申請に関する最新情報を常に把握し、申請前の事業計画整理から経費区分のアドバイス、書類作成まで一貫してサポートしています。
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・他の補助金と併用できるか明確にしたい
・書類作成の進め方に不安がある
・そもそも自社が申請対象になるのか知りたい
採択率を上げるためには、正確な情報と確かなノウハウが不可欠です。PULL-NETの無料相談を活用すれば、制度に振り回されずに本業へ専念できます。
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