【2025年版】IT導入補助金の申請の流れを6ステップで整理
IT導入補助金は、国が中小企業や小規模事業者の業務効率化やDX推進を支援するために設けた制度です。しかし「どんな手順で進めるのか」「何を準備すればいいのか」がわからず、申請を躊躇している方も多いのではないでしょうか。
本記事では、補助金の申請から交付、ITツールの導入、補助金の受け取りまでの流れをステップごとにわかりやすく解説します。gBizIDの取得や支援事業者の選び方、事前に注意すべきポイントも網羅していますので、初めて申請する方でも安心して進められる内容です。
目次
IT導入補助金とは?概要と活用メリットを整理
中小企業・小規模事業者のIT投資を支援
IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者が業務効率化や生産性向上を目的としてITツールを導入する際に、費用の一部を国が支援する制度です。
2025年度も継続して実施されており、インボイス対応やDX推進、セキュリティ強化など、社会的な課題に対応した施策が盛り込まれています。
この制度の最大の特徴は、自己資金の負担を大幅に軽減しながら、事業のデジタル化を進められる点にあります。特に初期費用の壁が高いCRMやマーケティングオートメーションツール(たとえばHubSpotなど)も、適切な申請を行えば補助対象になります。
また、2025年度からは、ITツールの「活用支援」まで補助対象に含まれており、単なる導入支援ではなく、ツールの定着や業務改善までをカバーできるようになりました。これにより、「導入したけど活用されない」という失敗を回避できます。
対象ツールや補助対象経費の種類
補助金の対象となるITツールは、あらかじめ国に登録されたものに限られます。さらに、それらを導入する際には、事務局に認定された「IT導入支援事業者」を通じて申請する必要があります。
以下のようなITツールが主な補助対象です。
区分 |
具体例 |
業務支援ツール |
会計ソフト、労務管理システム、受発注管理ツール |
営業・販促支援 |
CRM、SFA、マーケティングオートメーション |
インボイス対応ツール |
電子帳簿保存、請求書発行、インボイス送受信機能 |
セキュリティ対策ソフト |
ウイルス対策、外部攻撃防止、監視サービス |
また、ツールそのものの費用だけでなく、以下の経費も補助対象です。
・導入支援:初期設定、マニュアル作成、研修サポート
・活用支援:運用コンサルティング、データ移行、分析支援
・ハードウェア(インボイス枠に限る):POSレジ、券売機、タブレットなど
「ツールの機能に魅力を感じていても、費用負担がネックで導入を見送っていた」という企業にとって、補助金は非常に大きな後押しになります。とくにHubSpotのような売上直結型のツールを対象とする場合、その効果は費用以上に大きな投資対効果が期待できます。
申請枠ごとの補助率・補助額の違い
IT導入補助金には複数の申請枠があり、それぞれ補助率や補助上限額が異なります。
以下に、主要な申請枠の概要をまとめました。
申請枠 |
補助率 |
補助上限額 |
主な対象 |
通常枠 |
最大 1/2 (条件により2/3) |
5万円〜450万円 |
汎用的な業務支援ソフト |
セキュリティ対策 |
中小 1/2 |
最大150万円 |
登録済みのセキュリティソフト |
インボイス枠 |
中小 3/4 |
最大350万円 |
インボイス対応ソフト導入 |
インボイス枠 |
中小 2/3 |
最大350万円 |
無償アカウントの発行など |
複数社連携IT導入枠 |
最大 2/3 |
1社あたり最大350万円 |
商店街などの共同導入 |
さらに、「最低賃金付近の事業者」には補助率が最大2/3に引き上げられる優遇制度もあります。これは、地域の中でも比較的賃金水準が低い事業者を対象に、より高い補助率で支援する仕組みです。
選択する申請枠によっては、補助額に大きな差が出ます。たとえば、450万円のツールを導入した場合、補助率が1/2であれば自己負担額は225万円ですが、2/3であれば150万円に抑えられます。この差額は経営判断に直結するため、最適な枠の選定が不可欠です。
2025年版|IT導入補助金の申請の流れをステップ解説
IT導入補助金の申請は一見複雑に感じられるかもしれませんが、ポイントを押さえれば、効率よく進めることが可能です。
2025年度版では、制度の一部に変更が加えられており、特に「みらデジ経営チェック」や「活用支援費用の補助対象化」などが重要なポイントとなります。
以下で、申請から補助金受け取りまでの6ステップを順を追って解説します。
STEP1:制度内容の確認とgBizID取得
申請準備の第一歩は、制度内容の把握とgBizIDプライムアカウントの取得です。gBizIDは、IT導入補助金を含む各種行政サービスを利用するための共通認証IDであり、申請には必須となります。
取得には約2週間かかる場合があるため、できるだけ早めに申請しましょう。以下に手順をまとめました。
・gBizID公式サイトにアクセス
・法人番号や代表者情報を入力
・印鑑証明書と申請書を郵送
・アカウント発行通知を受領
gBizIDは一度取得すれば他の補助金制度にも利用できるため、今後の経営にも役立ちます。
STEP2:IT導入支援事業者の選定と事前相談
次に行うべきは、IT導入支援事業者の選定です。この制度では、支援事業者と連携して申請を行うことが必須です。単独での申請は認められていません。
支援事業者の主な役割は以下のとおりです。
・補助対象ツールの紹介と導入計画の提案
・支援事業者と相談しながらツールを選定する
・申請書類の作成サポート
・導入後の活用支援や実績報告のサポート
特に、HubSpotのような高度なCRM・MAツールを導入する場合は、ツールと制度の両方に精通した事業者を選ぶことが成功の鍵になります。
また、PULL-NETのように、申請から成果創出まで一貫して対応できる支援者との連携が効果的です。
STEP3:IT戦略ナビwithの活用とツールの選定準備
2025年度は「みらデジ経営チェック」は必須ではありませんが、「IT戦略ナビwith」の活用結果を申請書に添付すると加点対象になります。
これは、自社のデジタル化の状況や課題を把握するための無料診断で、結果をもとに最適なツールや導入支援策を検討する材料になります。
チェックは以下の流れで実施できます。
・みらデジポータルにログイン
・簡単な質問に回答(5〜10分程度)
・結果レポートをダウンロードし、支援事業者と共有
その後、支援事業者と相談しながら、自社の課題解決に適したITツールを選定します。導入可能なツールは、制度に登録されたものに限られているため注意が必要です。
STEP4:申請書類の準備と交付申請
申請書類の作成は、補助金審査の合否を分ける重要なフェーズです。以下の書類を準備する必要があります。
書類名 |
内容 |
事業計画書 |
生産性向上の見込みや導入効果を数値で記述 |
決算書または確定申告書 |
最新の経営状況を確認するために必要 |
履歴事項全部証明書 |
法人登記情報の確認用(3か月以内) |
gBizIDの情報 |
ログイン認証用 |
書類の精度や論理性が低い場合、採択されない可能性もありますので、必ず支援事業者と連携し、審査項目を意識して作成しましょう。
事業の将来性やツールの導入効果を、定量的かつ具体的に記述することがポイントです。
STEP5:交付決定後の契約・発注・実施・実績報告
交付が決定した後に、ITツールの契約・発注・納品を進めます。交付前に発注してしまうと補助対象外となるため、順番を厳守する必要があります。
導入後は、以下の内容を実績報告として提出します。
・実施報告書
・経費の領収書や請求書のコピー
・ITツールの利用状況がわかる証拠(ログイン履歴など)
この実績報告に不備があると、補助金が支給されないこともあります。支援事業者のサポートを受けながら、確実に提出しましょう。
STEP6:補助金の受け取りと事後フォロー
実績報告の審査が完了すると、指定口座に補助金が振り込まれます。これにて手続きは完了となりますが、事後フォローとして事業実施後の定期報告(1年後、3年後など)が求められる場合があります。
また、補助金を活用した導入で終わるのではなく、「導入したツールをいかに活用し、成果を上げるか」が重要です。たとえばHubSpotを導入した場合、リード獲得や商談化率の改善といった具体的なKPIを設定し、日常業務に組み込んでいく必要があります。
支援事業者によっては、ツールの操作指導や活用支援も継続的に行ってくれるため、長期的な視点でのサポート体制を確認しておくことが大切です。
失敗しないために押さえるべきポイントと注意点
IT導入補助金は、要件を満たして正しく申請すれば高い確率で活用できる制度です。しかし、制度を正しく理解しないまま進めてしまうと、「書類不備で不採択」「補助対象外で自己負担増」といった失敗につながる恐れがあります。
実際に落選やトラブルに繋がりやすいポイントを把握し、対策を講じておくことで、スムーズかつ確実な補助金活用が実現できます。
IT導入支援事業者との連携が採択率を左右する
申請の成否を大きく左右するのが、IT導入支援事業者との連携の質です。申請は必ず登録済みの支援事業者を通して行う必要があり、事業者選びを間違えると、補助金の本来のメリットを享受できません。
支援事業者が提供する主なサポートは以下の通りです。
・補助金制度の適用可否診断
・ツール選定と導入計画の策定
・申請書類(特に事業計画書)の作成支援
・交付決定後の実績報告サポート
・導入後の活用支援・活用成果のフォロー
とくに事業計画書の品質は審査評価に大きく影響します。「ただの申請代行」ではなく、「ツール活用まで支援できる事業者」を選ぶことが重要です。
HubSpotのような高度なCRM・MAツールを検討している場合は、導入・運用実績が豊富なパートナーと組むことで、導入後の成果にも直結します。
申請前の準備不足が落選の原因に
IT導入補助金は、単なる申請フォーム入力だけでは採択されません。補助金の目的に合致した導入理由・導入効果の明示が必要です。
準備不足のまま申請してしまうと、以下のような失敗に繋がります。
・「みらデジ経営チェック」の未実施による形式不備
・事業計画に数値的根拠がないため加点評価が得られない
・書類の不足・ミスで申請が無効になる
・申請額や補助対象外のツールを選定してしまう
準備不足を防ぐためには、最低でも以下の4点を事前に確認しておく必要があります
・gBizIDの取得:申請に2〜3週間かかるため、早めの申請が必須
・支援事業者との事前面談:導入目的や課題を明確にする
・自社の経営課題の整理:補助金を使って「何を解決するか」を言語化する
・申請には「SECURITY ACTION」の★一つ星または二つ星の宣言IDが必須です。
IDの取得は無料で、IPA(情報処理推進機構)の公式サイトから5〜10分程度で登録可能です。
申請の前段階でこれらを整えることで、内容の説得力が高まり、審査側からの評価も得やすくなります。
補助対象にならない費用の具体例とは
補助金の申請では、「対象外経費」に該当してしまい、一部費用が自己負担になるケースが頻発しています。補助金が交付されるのは、あくまで「登録済みのITツール導入」と「その支援費用」に限られます。
以下のような費用は原則として補助対象外です。
経費項目 |
補助対象外の具体例 |
ハードウェア |
汎用PC、プリンター、スマートフォン |
通信費 |
Wi-Fi、SIM契約、モバイル回線費用 |
業務外利用 |
社内イベント用ツール、エンタメ系システム |
自社開発ツール |
登録されていない独自開発ソフト |
交付決定前の支出 |
見積前の発注・契約済みの経費全般 |
特に見落とされがちなのが、「交付決定前に発注した経費はすべて補助対象外」という点です。契約書の締結日や請求書の発行日までチェックされるため、支援事業者の指示を待ってから進めることが必須です。
さらに、補助金申請に合わせて導入したITツールであっても、業務改善の目的が明確でなければ、費用の一部が否認される場合があります。申請書内では、ITツールがどの業務をどのように改善するかを、具体的に定量的に記載する必要があります。
2025年の公募スケジュールと締切日の確認
IT導入補助金を確実に活用するためには、公募スケジュールと締切日の把握が非常に重要です。特に2025年度は、最低3回の公募が予定されており、それぞれのスケジュールに合わせて準備を進めなければ申請のチャンスを逃すおそれがあります。
採択を目指すのであれば、申請書の提出ギリギリで慌てるのではなく、公募開始のタイミングで動き出すことが成功のカギです。ここでは、2025年の公募日程と、注意すべき事業期間の制限について詳しく整理します。
第1次〜第3次の締切日と交付決定日一覧
2025年度のIT導入補助金は、複数回に分けて公募される予定です。
以下は、過去の傾向と最新の制度案内をもとにした想定スケジュールです(※正式な日程は事務局からの発表を確認してください)。
公募回 |
申請受付開始 |
申請締切(予定) |
交付決定日(目安) |
第1次公募 |
2025年3月下旬 |
2025年5月上旬 |
2025年6月中旬 |
第2次公募 |
2025年6月中旬 |
2025年7月末 |
2025年9月上旬 |
第3次公募 |
2025年9月初旬 |
2025年10月中旬 |
2025年11月下旬 |
公募回によっては、申請内容や優遇措置(例:最低賃金枠、インボイス枠)が異なる可能性があるため、制度改正に関する発表にも注意が必要です。
また、申請にはgBizIDの取得(約2週間)、支援事業者との調整、事業計画書の作成など、複数の工程を要します。少なくとも申請締切の1か月前には準備を完了させておくことが現実的な目安となります。
補助対象期間と事業実施期限に注意
IT導入補助金では、交付決定前の発注や導入は補助対象外となります。補助の対象となるのは、「交付決定通知を受け取った後に開始した契約・発注・導入」に限られています。
補助対象期間の概要は以下のとおりです。
項目 |
内容 |
補助対象開始日 |
交付決定日以降 |
補助対象終了日 |
原則、交付決定日から5か月以内 |
実績報告期限 |
補助事業終了後30日以内 or 2026年2月末までのいずれか早い日 |
補助金支払時期 |
実績報告の審査完了後(約1〜2か月) |
特に注意すべき点は、「交付決定通知を受け取るまでは、契約書の締結・請求書の発行・金銭の授受を一切行わないこと」です。事前発注が確認された場合、該当する契約・購入・導入はすべて補助対象外となり、補助金が不交付になる可能性があります。
また、事業実施の期限が設定されているため、「ツールのカスタマイズに時間がかかる」「スタッフ研修が終わらない」といった理由でスケジュールが遅延すると、最悪の場合、補助金を受け取れないというリスクもあります。
導入期間が確保できるタイミングで申請するか、または実施支援と進行管理に強い支援事業者を選ぶことが重要です。
まとめ
私たちPULL-NETは、IT導入補助金の支援事業者として、HubSpotを活用したホームページ制作・マーケティング支援を数多く手がけてきました。
単なるツールの導入支援ではなく、その先にある“成果”を見据えたサポートが私たちの強みです。
補助金制度を正しく活用すれば、初期費用のハードルを下げながら、集客・業務効率化・売上アップを実現できる環境を整えることができます。
しかし、申請の準備不足や、導入後の活用が不十分なままでは、補助金の本当の価値を活かすことはできません。
【PULL-NETができること】
・HubSpot導入×ホームページ制作を一括支援
・gBizID取得や事業計画書作成など、申請準備をフルサポート
・補助金採択後は、サイト公開→運用→改善提案まで伴走支援
・導入後のKPI設定や活用支援にも対応。“使える状態”を一緒に作ります
私たちは、「導入して終わり」ではなく、導入後に“成果が出ること”をゴールにしています。
「ツールの選定や申請が不安」
「補助金を使ってHPやCRMを強化したい」
そんな事業者さまは、ぜひ一度私たちにご相談ください。
貴社の目的や課題に合った最適な導入方法をご提案し、成果につながるIT活用をサポートします。補助金には締切があります。早めの準備こそ、成功の第一歩です。

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