【2025年版】IT導入補助金の補助率と補助額を徹底解説
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公開日 2025年06月21日  更新日 2025年06月27日

【2025年版】IT導入補助金の補助率と補助額を徹底解説

【2025年版】IT導入補助金の補助率と補助額を徹底解説
IT導入補助金は、中小企業や個人事業主のデジタル化や業務効率化を支援するために、ITツールの導入費用を一部補助する国の制度です。

2025年度版では補助率や補助対象経費の拡充、最低賃金近傍事業者への優遇など、制度内容に大きな変更がありました。

「いくら補助されるの?」「どの枠を選べばいい?」といった疑問に答えるべく、本記事では最新の補助率情報を中心に、申請枠の種類や対象条件、申請スケジュールまでをわかりやすく解説します。制度を賢く活用して、IT導入コストを最大限カバーしましょう。

目次

IT導入補助金とは?目的と制度概要をわかりやすく解説

中小企業のデジタル化を支援する国の補助制度

IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者の生産性向上や業務効率化を支援するため、国がITツールの導入費用を一部補助する制度です。会計ソフトや受発注システム、クラウドサービスなど、幅広いツールが対象に指定されており、業種を問わず多くの事業者が利用できます。

特に、日常業務が属人的になりがちな中小企業にとっては、IT導入を通じて「誰がやっても同じ品質」の業務フローを確立できることが大きなメリットです。また、人手不足や働き方改革といった社会的背景もあり、デジタルツールを使った自動化・効率化のニーズが急速に高まっています。

IT導入補助金には、あらかじめ事務局に登録された「IT導入支援事業者」と連携しながら申請を進めるという特徴があります。対象となるツールも登録済みのものに限られるため、申請時には対応製品かどうかの確認が欠かせません。

補助対象となる経費の一例は下記の通りです。

区分

内容

ソフトウェア

会計、受発注、決済、顧客管理などのクラウド型ツール

導入関連費

設定、マニュアル作成、研修、コンサルティングなど

ハードウェア(枠により)

POSレジ、券売機、PC、タブレットなど

さらに注目すべきは、補助率や上限額です。制度の枠組みによって補助内容が異なるため、自社の課題や導入したいツールに最適な枠を選ぶことが重要です。

2025年度版の最新改正ポイント

2025年度のIT導入補助金では、企業の利用価値をさらに高める改正が加えられました。中でも最も大きな変更点は、以下の3点です。

最低賃金近傍事業者への補助率優遇

通常枠の補助率が「1/2」から「2/3」に引き上げられました。対象となるのは、3か月以上にわたり「地域別最低賃金+50円以内」で雇用している従業員が全体の30%以上の企業。

セキュリティ対策推進枠の補助拡大

補助額上限が従来の100万円から150万円に増額されました。小規模事業者の補助率は「2/3」に拡充され、サイバーセキュリティ対策がより現実的になりました。

補助対象経費の拡大

ITツール導入後の「活用支援費用」が補助対象に加わりました。これにより、保守、サポート、活用トレーニングなどの費用も申請可能になっています。

以下に、改正点を一覧にまとめました。

改正内容

変更前

2025年度の変更点

通常枠 補助率

最大1/2

最低賃金近傍事業者は最大2/3

セキュリティ対策枠 補助額

最大100万円

最大150万円

セキュリティ対策枠 補助率

一律1/2

小規模事業者は2/3

補助対象経費

ソフトウェア・クラウド利用料

活用支援費用も追加

このように、2025年は特に小規模事業者や人手不足に悩む企業にとって、より手厚い補助が受けられる制度設計になっています。

補助率の向上は、自己負担の軽減に直結します。たとえば、150万円のソフトウェアを導入する場合、従来の補助率1/2では75万円が自己負担でしたが、2/3に引き上げられることで、自己負担は50万円にまで圧縮されます。

補助率はいくら?IT導入補助金の補助率・補助額の詳細

IT導入補助金を活用するうえで、最も重要な判断材料となるのが「補助率」と「補助上限額」です。

補助率は、ITツール導入にかかる費用のうち、どの程度を国が負担してくれるかを示します。補助枠によって補助率や上限金額は大きく異なるため、自社の状況に合わせた選択が求められます。

以下では、各補助枠の補助率や金額を具体的に解説していきます。

通常枠の補助率と上限額(1/2 or 2/3)

通常枠は、もっとも多くの企業が利用している基本的な枠組みです。

導入するITツールの対応業務プロセス数によって、補助上限額が変動します。

業務プロセス数

補助率

補助上限額

1プロセス以上

1/2(中小企業)

2/3(最低賃金近傍事業者)

5万円〜150万円未満

4プロセス以上

同上

150万円〜450万円以下

※「業務プロセス」とは、顧客対応・販売支援、会計・財務、人事・労務管理などの業務カテゴリを指します。

補助を受けるには、これらのうち1つ以上に対応したITツールを選ぶ必要があります。

1/2の補助率で150万円のツールを導入した場合、自己負担は75万円です。一方、2/3の補助率が適用されれば、自己負担は約50万円まで下がります。この差は大きく、導入可否に直結する可能性があります。

複数社連携枠・インボイス枠・セキュリティ対策枠の補助率まとめ

IT導入補助金では、通常枠以外にも目的別に設けられた3つの枠があります。それぞれの補助率・補助額は以下のとおりです。

補助枠

対象

補助率

補助額上限

複数社連携枠
(基盤導入)

会計・決済・受発注ソフト等

最大 3/4
(小規模事業者 4/5)

350万円
(1社あたり)

インボイス枠
(対応類型)

インボイス制度に対応した
ソフト導入

最大 4/5(小規模)
中小 3/4

最大350万円

インボイス枠
(電子取引類型)

発注者が受注者に
無償アカウント提供

中小 2/3
その他事業者 1/2

最大350万円

セキュリティ対策
推進枠

登録済みセキュリティソフト
導入

中小 1/2
小規模 2/3

最大150万円

これらの枠は、特定の課題や政策ニーズに対応する目的で設計されています。たとえば、電子取引類型では「取引先にもITツールを使ってもらう」仕組みを構築できる点が特徴です。

また、セキュリティ対策推進枠は近年急増するサイバー攻撃リスクへの備えを支援するものです。導入するツールは、事前に事務局に登録された「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」掲載のものに限られます。

最低賃金近傍の事業者への優遇措置

2025年度の改正で最も注目されているのが、「最低賃金近傍事業者」に対する優遇措置です。通常枠の補助率が、一般企業の1/2に対して、対象事業者には2/3に引き上げられています。

以下に、対象要件をまとめました。

項目

内容

対象条件

直近3か月間、地域別最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全体の30%以上である

適用される枠

通常枠、セキュリティ対策推進枠など

優遇内容

補助率が最大2/3に引き上げられる

この措置は、賃金水準が相対的に低く、経営体力に不安を抱える小規模事業者や地方企業にとって非常に有利です。補助率が1/2から2/3に上がることで、同じ費用でも自己負担が大きく減ります。

例えば、450万円のITツールを導入する場合、

・補助率1/2:自己負担額は225万円
・補助率2/3:自己負担額は150万円

75万円の差が出るため、補助金を活用した戦略的な投資判断が可能になります。

このように、補助率を正しく把握し、自社に適した枠を選ぶことが、補助金活用の第一歩です。

次に進むステップでは、対象ツールの選定と支援事業者との連携が重要になります。最終的な成果につなげるには、制度の理解だけでなく、実装まで伴走してくれる支援パートナーの存在が不可欠です。

IT導入補助金の4つの枠組みを徹底解説

2025年度のIT導入補助金は、企業の多様な課題に対応するために、4つの申請枠が用意されています。それぞれの枠は目的や対象経費、補助率が異なるため、自社の導入目的に適した枠を正しく選ぶことが重要です。

以下では、各枠の特徴を具体的に紹介し、判断の助けとなる情報を整理します。

通常枠:業務効率化やDX推進が目的

通常枠は、最も幅広い業種・業態に対応しており、汎用的な業務効率化を目的とする中小企業に適しています。会計ソフトや労務管理ツール、営業支援システムなど、日々の業務を効率化するITツールの導入が対象です。

主な特徴は以下の通りです。

項目

内容

対象者

中小企業・小規模事業者

補助率

最大1/2(最低賃金近傍事業者は2/3)

補助額

5万円~450万円(プロセス数による)

対象経費

ソフトウェア購入費、クラウド利用料、導入関連費

また、補助対象となるITツールは「複数業務プロセス」に対応している必要があります。たとえば、「顧客対応+会計」など2つ以上の業務機能を備えたクラウドサービスであれば、上限450万円まで補助が受けられる可能性があります。

複数社連携IT導入枠:商店街や協業での導入向け

複数社連携IT導入枠は、地域の商店街や業種を越えた中小企業グループが連携し、共通のIT基盤を整備するケースを想定しています。

たとえば、共通のキャッシュレス決済システムや、在庫・売上を一元管理するシステムの導入に活用できます。

枠の概要は以下の通りです。

項目

内容

対象者

複数の中小企業等で構成される連携体

補助率

最大2/3(小規模は最大4/5)

補助額

最大350万円(1社あたり)

対象経費

ITツール・ハードウェア・消費動向分析費など

さらに、AIカメラやビーコン、デジタルサイネージといった「消費動向分析」に関連するIT機器も補助対象です。地域密着型の商圏において、デジタル活用を強化したい事業者に適しています。

インボイス枠(対応類型・電子取引類型)

インボイス制度への対応に課題を感じている事業者にとって、有力な支援となるのがインボイス枠です。この枠は2つの類型に分かれており、導入状況に応じて選択できます。

類型

概要

補助率

補助額

対応類型

インボイス対応ソフト(会計・受発注
・決済)を導入

中小 3/4
小規模 4/5

最大350万円

電子取引類型

発注側が導入し、受注者にアカウントを
無償提供

中小 2/3
その他 1/2

最大350万円

対応類型は、自社のインボイス対応を完結させるためのITツール導入を補助します。一方、電子取引類型は、取引相手との間でデジタルな商流を構築するための支援に特化しています。

インボイス制度により、手書き請求書や旧来の帳簿管理が通用しなくなる中、こうしたIT導入は急務となっています。煩雑な事務作業を減らし、誤入力や人的ミスを防ぐには、インボイス制度対応ソフトの導入が不可欠です。

セキュリティ対策推進枠

サイバーセキュリティの脅威が増す中で、データや業務システムを守るための対策も急務です。セキュリティ対策推進枠では、政府認定の「サイバーセキュリティお助け隊サービス」を導入する際の費用が補助対象となります。

以下に、主な条件を整理します。

項目

内容

対象者

中小企業・小規模事業者

補助率

中小:1/2、小規模:2/3

補助額

最大150万円

対象経費

登録済みセキュリティサービス利用料(最大2年分)

サーバー攻撃や不正アクセスによる業務停止リスクは、企業規模を問わず存在します。特に中小企業は、専任のIT担当者がいないケースが多く、セキュリティ対策が後回しになりがちです。この補助枠を活用することで、専門家による監視体制や自動検知システムの導入が現実的になります。

また、補助対象となるサービスはすでに選定されているため、申請から導入までの流れもスムーズです。

申請前に知っておきたい!対象事業者・ITツールの条件

IT導入補助金を利用するにあたり、まず確認すべきなのが「誰が申請できるのか」「どんなツールが補助対象なのか」という2点です。

制度の目的が明確に定められているため、対象外の事業者やITツールで申請を行っても、却下されるリスクがあります。申請前に正しい情報を把握し、自社が対象に該当するかを判断することが重要です。

対象となる中小企業・小規模事業者の定義

IT導入補助金は、基本的に中小企業や小規模事業者を対象としています。

定義は業種によって異なりますが、下表の基準を満たしていれば申請可能です。

業種

資本金または出資額

常時使用する従業員数

製造業・建設業・運輸業

3億円以下

300人以下

卸売業

1億円以下

100人以下

小売業

5千万円以下

50人以下

サービス業

5千万円以下

100人以下

なお、法人だけでなく個人事業主も申請可能です。たとえば、飲食店や美容室、士業などでも、経営の効率化や業務のデジタル化を目的としていれば問題ありません。

また、申請には「gBizIDプライムアカウント」の取得が必要です。これは、補助金申請や行政手続きをオンラインで行うための共通認証システムであり、申請には最大2週間程度かかるため、早めの準備が求められます。

補助対象となるITツール・ベンダーの条件

補助対象のITツールには、大きな制限があります。事務局に事前登録されたツールおよび、登録済みの「IT導入支援事業者」を通じて導入する場合に限り、補助対象と認められます

対象となる主なITツールのカテゴリは以下の通りです。

区分

対象内容の例

ソフトウェア

会計・人事管理・顧客管理・受発注・在庫管理

クラウドサービス

CRM、SFA、ERPなど(例:HubSpotやSalesforce)

ハードウェア(条件付き)

POSレジ、タブレット、券売機など(インボイス枠限定)

注意点として、導入したいITツールが事務局の「ITツール登録リスト」に含まれていなければ補助対象外になります。また、自己手配で購入したソフトや、ベンダーを通さずに直接契約したクラウドサービスも補助対象にはなりません。

IT導入支援事業者は、ITツールの導入から申請書作成、活用支援までをサポートする存在であり、申請成功の鍵を握ります。パートナーとして信頼できる事業者を選ぶことで、採択率の向上と導入後の定着率を両立させることができます。

活用支援費用やコンサルティング費も補助対象に

2025年度の改正により、IT導入補助金は「ツールを導入するだけでは効果が出にくい」という課題に対応するため、導入後の活用支援費用も補助対象に追加されました。

対象となる費用の具体例は以下の通りです。

活用支援内容

補助対象となる費用例

導入サポート

初期設定、データ移行、操作指導

コンサルティング

業務フロー設計、活用支援計画の作成

マニュアル作成

操作手順書、業務マニュアルの整備

これにより、導入だけでなく「どう活用するか」まで見据えた取り組みが支援対象になっています。

たとえば、HubSpotなどのマーケティングツールを導入した場合でも、メール配信設定やリードナーチャリングの設計にかかる費用までが補助対象になります。

中小企業の現場では、ツールを導入しただけで社内に浸透せず、形骸化してしまうケースが多く見られます。しかし、活用支援費用が補助対象となったことで、専門家の支援を受けながら定着と成果創出まで一気通貫で進められるようになりました。

つまり、今後は「ツールを買って終わり」ではなく、「使いこなすこと」が求められる時代です。制度の変更点を正しく理解し、自社の業務に合った支援メニューを選ぶことで、補助金を“実際の成果”につなげることができます。

申請スケジュールと進め方

IT導入補助金は予算と申請枠に応じて複数回の公募が行われます。申請のタイミングや準備の順序を間違えると、せっかくのチャンスを逃す恐れがあります。2025年度のスケジュールを把握し、必要書類を事前に揃えておくことが採択への近道です。また、採択率を高めるためには、「加点項目」の活用も欠かせません。

2025年の公募スケジュール(第1次〜第3次)

2025年度は、最低でも3回以上の公募が予定されています(※詳細は公式発表に準拠)。

以下に、例年のスケジュール感をもとに想定される日程を整理しました。

公募回

申請開始時期

締切予定

採択発表時期

第1次公募

2025年3月下旬

4月末〜5月上旬

6月中旬

第2次公募

2025年6月中旬

7月末

9月上旬

第3次公募

2025年9月初旬

10月中旬

11月下旬

各回とも、締切直前は申請が集中するため、gBizIDの取得や事業計画書の準備は1〜2か月前には着手するのが理想です。また、申請枠によっては締切が異なる場合があるため、申請前に必ず公式ページやサポート事業者に確認しましょう。

申請フローと必要書類の準備ポイント
申請フローは、以下のようなステップで進行します。

・gBizIDプライムアカウントを取得(2週間〜3週間)
・導入したいITツールと支援事業者を選定
・IT導入支援事業者と共同で申請内容を作成
・補助金事務局のポータルサイトから申請
・採択結果の通知・交付決定後に導入作業スタート

必要書類は主に以下のとおりです。

書類

内容

事業計画書

3〜5年後の売上・労働生産性見通し

決算書類

最新年度の決算書または確定申告書一式

履歴事項全部証明書

法人の場合に必要(3か月以内)

導入ITツール仕様書

支援事業者が用意するもの

gBizIDのアカウント情報

電子申請に必須

申請内容の精度が採択率に直結するため、「なんとなくの事業計画」や「抽象的な目的」は避けましょう。特にHubSpotやCRMツールの導入によってどのように売上が向上し、どれだけ業務時間が削減されるかといった具体的な数値が求められます。

採択率を高める「加点項目」とは?

IT導入補助金の採択は「審査制」です。予算に限りがあるため、すべての申請が通るわけではありません。

そこで採択率を高めるポイントになるのが「加点項目」です。

加点対象

加点内容

セキュリティ対策推進枠の活用

優先的に採択される傾向あり

最低賃金近傍事業者

通常枠でも補助率引き上げ+加点対象

インボイス対応の導入

国策との連動により加点可能性大

クラウド対応のツール活用

継続利用が期待される点で評価されやすい

複数社連携・地域密着型の取り組み

地域経済への波及効果が評価対象

特に、インボイス制度対応やクラウドサービス(例:HubSpotなど)の導入は、国のデジタル化政策とも合致しており、審査上有利になる傾向があります。

さらに、セキュリティ対策とセットで申請することで、補助率の引き上げや加点効果の相乗が期待できます。

IT導入補助金は単なる資金支援ではなく、「未来の成長を加速させる仕組み」です。とはいえ、申請には専門的な知識と準備が求められます。gBizIDの取得タイミング、ツールの選定、事業計画の作成まで、ひとつでも準備不足などあれば申請期限が過ぎ、チャンスを逃す可能性もあります。

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