【2025年版】IT導入補助金の実績報告ガイド決定版
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公開日 2025年06月17日  更新日 2025年06月27日

【2025年版】IT導入補助金の実績報告ガイド決定版

【2025年版】IT導入補助金の実績報告ガイド決定版
IT導入補助金の交付決定を受けた後、避けて通れないのが「実績報告」です。提出書類の不備や記載ミスによって、せっかくの補助金が交付されないケースも少なくありません。

本記事では、実績報告の提出方法から必要書類、スケジュールの確認、よくある不備とその対策まで、2025年度版として徹底的にわかりやすく解説します。

初めての方でも迷わず進められるように、具体例とチェックリストも交えてご紹介。確実に補助金を受け取るために、まずはこの記事からご確認ください。

IT導入補助金の「実績報告」とは?その目的と重要性

IT導入補助金の実績報告とは、補助金の交付決定を受けた後に、導入したITツールやサービスが事業計画通りに実施されたかを証明する手続きです。これは補助金を最終的に受け取るための必須ステップであり、交付決定だけで満額が支払われるわけではありません。

報告の目的は、国が定めた補助対象の要件を満たしているかを確認する点にあります。実施内容、支払い実績、成果などを裏付ける証拠資料を提出し、補助金の適正な執行を証明します。この工程が不十分だった場合、補助金の一部または全部が支払われないだけでなく、返還を求められるケースも発生しています。

実績報告を適切に行うことは、補助金を安心して受け取るためだけでなく、今後の補助制度を継続的に活用するうえでも重要です。企業の信用力を保つ意味でも、提出物の正確さと期限厳守が求められます。

導入支援事業者のサポートを受けると、作業の負担軽減や精度向上につながります。多くの事業者が初めての経験で戸惑いやすいポイントであるため、専門知識のあるパートナーとの連携を前向きに検討しましょう。

実績報告の提出タイミングとスケジュール(2025年度版)

提出期限はいつまで?補助金の受け取りに直結する重要日程

実績報告の提出期限は、交付決定日から約6か月後に設定されている場合が一般的です。ただし、各公募回ごとに具体的な期日が決まっているため、申請時点でスケジュールを確認しておく必要があります。
以下は、2025年に公表されている通常枠の主なスケジュールです。

公募回

実績報告の提出期限(予定)

第1回

2025年12月26日(金)

第2回

2026年1月30日(金)

第3回

2026年2月27日(金)

いずれも17時が締切時刻です。1日でも遅れると補助金の受給権が失われます。事務局からの通知を待つのではなく、自らカレンダーに記録しておくことが大切です。

電子申請システムではアクセス集中による遅延も起こり得ます。締切前日や当日の申請は避け、余裕を持って提出作業を完了させましょう。

事業実施期間と交付決定日との関係

実績報告は、補助事業が完了していなければ提出できません。ここで言う完了とは、ITツールの導入が済み、支払いも完了し、契約が履行された状態を指します。つまり、「事業実施期間」の終了が報告の前提になります。

この事業実施期間は、交付決定日から始まり、各公募回ごとに定められた最終日までとなっています。たとえば第2回申請であれば、交付決定日(2025年7月24日予定)から2026年1月30日までが該当期間です。

導入したソフトや機器の設置・初期設定、保守契約、マニュアル作成など、すべての導入プロセスをこの期間内に完了させなければなりません。支払日が1日でも外れると対象外扱いになるため、証憑書類(請求書・領収書など)は特に慎重に取り扱う必要があります。

導入支援事業者と事前にスケジュールを共有し、事業完了のタイミングを見誤らないよう注意しましょう。

各枠(通常枠・インボイス枠など)のスケジュール比較

IT導入補助金には複数の枠があり、それぞれで実績報告の期限が異なります。特に混同しやすいのが、通常枠とインボイス枠、セキュリティ対策推進枠の違いです。以下に2025年度版の主なスケジュールをまとめました。

枠名

実績報告の提出期限(例:第2回)

通常枠

2026年1月30日(金)

インボイス枠(対応類型)

2026年2月27日(金)

セキュリティ対策推進枠

2026年2月27日(金)

どの枠も交付決定日からおおよそ6か月程度が実績報告の期限です。ただし、導入内容によっては対象期間のズレが生じることもあります。

特にインボイス枠やセキュリティ対策推進枠は、提出に必要な証拠資料や機器の準備に時間がかかる傾向があります。

導入支援事業者や顧問税理士と早めに打ち合わせを行い、どの枠で申請しているか、どの書類をいつまでに準備すべきかを明確にしておくと安心です。

実績報告に必要な書類と記載内容一覧

IT導入補助金の実績報告には、事業の完了を客観的に示す複数の書類を揃える必要があります。提出書類に不備や漏れがあると、交付審査で差し戻しとなり、再提出の手間や補助金の支払い遅延につながります。

必要な書類は導入したITツールの種類や申請枠によって多少異なりますが、共通して求められる基本的な資料はあらかじめ確認しておきましょう。特に証憑書類(領収書・契約書)や導入証明のデータは、日付・金額・支払先の明確化が重要です。

実績報告に必要な書類と記載ルール

実績報告では、多岐にわたる書類を正確に揃える必要があります。以下は提出が求められる主な書類です。

書類名

内容

領収書・請求書

金額・支払日・名義が一致している必要あり

契約書・発注書・納品書

契約と納品が完了したことを示す

事業実施報告書

導入内容・目的・成果などを記載

支払証明書

銀行振込明細やクレジット明細等

導入証明(画面キャプチャ等)

ITツールが実際に稼働している証拠

gBizIDプライム登録情報

申請者の法人情報と一致していること

SECURITY ACTION実施証明

セキュリティ枠では「二つ星」取得が必須、他枠は加点対象

ハードウェア設置写真

PCやレジなど物品の場合は写真が必要

補助金受取口座情報

銀行名・支店・口座番号等の提出

みらデジ経営チェック結果

対象枠では提出が必要になることも

導入実績証明書

一部の支援事業者が提出を支援

すべての書類で、名義・日付・金額の整合性が完全に一致していることが求められます。
また、契約・発注・納品・支払い・運用開始がすべて事業実施期間内に完了していることが補助金受給の前提条件です。

この条件を満たしていない場合、報告が受理されず、補助金が支払われない可能性があるため注意が必要です。

「事業実施報告書」の作成ポイントと記載例

実績報告書類の中でもとくに重要なのが「事業実施報告書」です。これは導入したITツールを用いて、どのような改善や成果が得られたのかを報告するものです。

形式上は自由記述の部分が多いため、抽象的な表現になりがちですが、審査側が評価しやすいように具体的な事実・数字・効果を交えて記述することが重要です。以下に記載のポイントと記載例を示します。

【記載のポイント】
・ツール導入の背景(課題と目的)
・どのような機能を導入したか
・導入後の定量的成果
(例:作業時間が月20時間削減、問い合わせ件数が30%減少など)
・今後の活用計画や社内展開の方針

【記載例】
当社では受注管理をExcelベースで行っていたが、重複入力や集計ミスが頻発していた。今回導入したクラウド型販売管理システムにより、受注入力の自動化と在庫のリアルタイム連携が可能となり、入力作業にかかっていた時間を月20時間以上削減できた。導入初月に業務フローを標準化し、現在は営業部門と業務部門の双方でシステム活用が進んでいる。今後は自社内のマニュアル整備と定着支援を図る予定である。

「誰が読んでも成果が伝わる文章」を意識することが、通過率向上につながります。

電子申請での提出方法と注意点

実績報告は、専用の電子申請システム「IT導入補助金2025ポータルサイト」から行います。郵送やメールでは受け付けておらず、gBizIDアカウントでログインする仕組みです。申請者本人が対応する必要がありますが、IT導入支援事業者が補助的に支援することも可能です。

【申請の流れ】
・gBizIDでログイン
・実績報告のメニューを選択
・各種書類をアップロード(PDF推奨)
・入力項目を記入(費用、導入内容、効果など)
・提出前にエラー表示を確認し、送信

【よくあるエラー・注意点】
・ファイル容量超過(1ファイル10MB未満が原則)
・対象外の日付での領収書提出
・不鮮明な画像ファイルの添付
・金額や導入内容の記載が申請時と不一致

また、電子申請はブラウザとの相性によって不具合が出ることがあります。ChromeやEdgeなど、公式推奨のブラウザを使用し、作業中は定期的に保存しておくと安心です。

提出後は「受付完了メール」が届くまで画面を閉じず、受付IDも保存しておきましょう。これが後日の問い合わせや差し戻し対応の際に必要になります。

よくある不備・差し戻し事例と対処法

実績報告は、形式的な提出ではなく、制度の要件を満たしているかどうかを審査される重要なプロセスです。事務局は提出された書類を厳格に確認し、記載ミスや証憑の不備がある場合は差し戻しを行います。

申請件数が多い年度は特にチェックが厳しくなり、差し戻し率も高くなる傾向があります。よくある不備を事前に把握しておくことで、審査通過率を高めることが可能です。再提出には時間も労力もかかるため、最初の提出時点で万全を期すべきです。

この章では、差し戻しの原因となる典型的なパターンとその対処法を具体的に解説します

書類不備・誤記・証憑不足の実例

実績報告で最も多い差し戻し理由は、書類の不備や記載ミス、証憑類の不整合です。以下に実際の差し戻し事例を示します。

不備内容

差し戻し理由

領収書の日付が事業期間外

補助対象外の支出とみなされ、不交付対象に

契約書と請求書で金額が異なる

支出金額の整合性が取れず、虚偽報告と判断される可能性

納品書が提出されていない

導入実績の証明ができず、導入が未完了と判断される

書類のスキャンが不鮮明

証憑確認ができず、再提出を求められる

事業実施報告書に具体性がない

効果や実施状況が曖昧なため、補助金の妥当性が判断不可

法人名の表記ゆれ(例:㈱と株式会社)

契約者と補助対象者の同一性が確認できない

特に「金額」「日付」「名義」の3点は、書類間で完全に一致していなければなりません。1つでも相違があると差し戻され、審査は中断します。

また、申請時に提出した情報との整合性も見られています。ツールの名称が異なる、事業者情報が変更されているなどの点も注意が必要です。

差し戻しになった場合の対応フローと再提出のコツ

差し戻し通知が来た場合、落ち着いて対応することが重要です。メールやマイページに届く「差し戻し理由」を読み、具体的にどの部分が問題とされたかを把握しましょう。以下に、対応フローと再提出のコツを紹介します。

【差し戻し対応フロー】
・マイページにログインし、差し戻し通知の内容を確認
・指摘された書類・情報を再チェック
・必要な修正・差し替えを行う(スキャンし直しや新規作成も含む)
・コメント欄に修正内容を明記して再提出
・再提出後は、受付完了の通知が届いたことを確認

【再提出のコツ】
・書類名・ファイル名に「再提出用」と明記するとわかりやすい
・差し戻し理由に対応した改善点をコメントで説明する
・書類全体を見直して、他にも不備がないかチェックする
・IT導入支援事業者に確認を依頼し、客観的なチェックを受ける

差し戻し対応はスピードも大切ですが、再提出で再び不備が見つかると、審査全体が遅れたり最悪の場合は不交付になります。余裕を持って確認作業を行い、慎重に再提出する姿勢が求められます。

再提出後の再差し戻しを防ぐためには、経験豊富な事業者や補助金支援サービスの活用も効果的です。自社だけでの対応に不安がある場合は、早めに外部支援を検討しましょう。

確実に補助金を受け取るために:支援事業者との連携方法

IT導入補助金の実績報告は、単なる事務手続きではなく、補助金の受給に直結する非常に重要なプロセスです。少しの記載ミスや書類の不備が原因で、補助金が支払われないというケースも少なくありません。

そのリスクを回避し、スムーズに手続きを完了させるためには、IT導入支援事業者との連携が不可欠です。支援事業者は制度に精通しており、申請から実績報告、最終的な交付までを一貫してサポートしてくれます。

ここでは、支援事業者に依頼できる具体的なサポート内容と、実績報告でありがちなミスを防ぐための連携方法について詳しく解説します。

IT導入支援事業者に依頼できるサポート範囲とは?

IT導入支援事業者は、補助金申請・報告業務における専門的な知識と経験を持つ認定企業です。単にツールを販売するだけでなく、申請者と一体となって手続きを進める役割を担います。

以下に主なサポート範囲を示します。

支援内容

サポート詳細

交付申請サポート

必要書類の準備、入力内容のチェック、システム操作の補助

ITツールの導入支援

導入手順の設計、社内展開サポート、マニュアル作成

実績報告書類のチェック

領収書や報告書の整合性確認、証憑類の不備の洗い出し

事業実施報告書のアドバイス

成果記載のアドバイス、定量的な効果測定方法の提案

電子申請手続きのナビゲーション

システム操作の説明、ファイル提出前の最終確認

特に初めて補助金制度を活用する企業にとって、事業者の存在は心強いサポーターとなります。必要に応じて、打ち合わせやチャットなどで迅速にサポートを受けることができ、社内担当者の負担も大幅に軽減されます。

まとめ

実績報告で起きやすいミスの多くは、制度の理解不足や事務手続きの見落としによるものです。たとえば、導入完了前に証憑を提出してしまったり、報告書の内容が不明確だったりするケースがあります。

こうしたミスを防ぐためには、支援事業者との「事前すり合わせ」が鍵となります。以下に、ミスを未然に防ぐための連携ポイントを整理しました。

・提出書類一覧を共有し、チェックリストをもとに進捗管理を行う
・書類作成前に、導入スケジュール・支払タイミングを確認し、ズレを防ぐ
・成果報告のドラフトを事前に支援事業者へ提出し、内容の整合性を確認してもらう
・システム入力は事業者立ち会いのもとで進めると安心

これらを徹底することで、差し戻しのリスクが格段に低下し、審査通過率が上がります。実績報告の工程を「一人で乗り越える」のではなく、「専門家と一緒に確実に通過させる」視点が大切です。

補助金の交付を確実に受け取るために、一人で悩む必要はありません。
実績報告に不安がある方や、書類作成に行き詰まっている場合は、IT導入補助金の支援事業者に相談してください。